オナホ売りOLの平日

大人のおもちゃメーカーで働くOLのブログ。

致知出版社に落ちたこと

「不採用の理由ですが、研究内容が、会社の方針と合わないからということです」。

新卒での就職活動中、就職エージェント経由で致知出版を受験したとき、アダルトビデオを卒論のテーマにしているということで不採用になりました。エージェントの担当者に、事務所の小さなブースに呼ばれて、不採用の理由を聞いたように思います。 研究内容を理由に不採用になったのは初めてでした。

わたしは大学の卒業論文のテーマをアダルトビデオのことにしていました。丁度、エロ本のライターもしていた時期だったので、興味もあったし、ほかの分野よりは知っていた。それ以上の理由は、テーマ選びにはなかった。ちょっと、この子、珍しいな、人と違うって思われたいな、ぐらいは思っていたかもしれないけど、大それた決意やイデオロギーを持って「アダルトビデオを研究しよう」なんて思ってなかった。だから、大学指定の履歴書の端っこの「大学での専攻」という、小さな欄を理由に不採用になるなんて思わなかった。 

エージェントが私に面と向かってそれを伝えた意図はわかりません。出版社の採用担当者が、ほかの理由を言った後に、ぽっろっと言った「研究テーマが合わなそうですね」を大げさにとらえたのかもしれません。企業受けをよくして早く内定をもらうために、「アダルトビデオの研究」の記載を変えてほしかったのかもしれません。出版社の採用担当の方との直接のやり取りはなかったので、本当のところは私にもわかりません。

背景にある意図はわかりませんが、わたしは、「アダルトビデオを卒論のテーマにしている」ということで不採用になったのは初めてだったので、少しショックを受けました。だけど、どこかで、納得もしていて、「誰から見ても健全な物ではないからね」「嫌な人もいる分野だよね」、とも思ってました。

 

その後も、専攻テーマの欄に「アダルトビデオ」と書いた履歴書をもって就活を続けて、求人広告を作る広告代理店にバイトで採用されました。働くことになる会社の募集要項には、「自分の作品を持参」と書かれていました。エロ本の記事の切り抜きを持参したことを記憶しています。「エロいことを、一生懸命に話しているのがよかったよ」。面接官だった当時の上司は、後になってそんなことを言ってました。

mochi-mochi.hateblo.jp

 

一方で、新卒の就活のときはAVメーカーやエロ本の出版社を受けませんでした。ソフトオンデマンドの新卒採用も、エントリーだけして、説明会には行っていません。なんとなく、漠然と、エロを仕事にしたら、引き返せないような気がした。「研究テーマが合いません」と言われ履歴書を返されたように、エロの世界に深く入ることで、ほかの色々な世界から拒否されるように思ったんです。

 

ライターの仕事を3年くらい続けたけれど、結局自分と仕事が合わず退職しました。(ライターを辞めたことを考えると、前述の出版社に受かってもあわずに退職していたようにも思います)。退職後、次の会社を探すときも、AVメーカー以外の会社も受かっていました。どっちに行こうか、少し悩みました。やっぱりそのときも、エロの世界にいったら引き返せないように思った。だけど、やっぱり、エロの仕事のほうが、楽しそうだし、わくわくもした。だから業界に入りました。もしかしたら、人から悪く言われるかもしれない、よく思われないかもしれない、でも、それでもいいかなって思いました。

この会社に入った後、仕事の話を業界外の人にすると、よく思われないこともあります。でも、この仕事はそう思う人もいるし、それをわかったうえで働かないといけないかなって思います。

 

 

◆幸せになれない覚悟

動画配信サービス、SHOWROOM社長、前田裕二さんの著書「人生の勝算」に、こんな記載があります。

僕の兄は結婚していて、子供が二人います。兄はしばしば仕事を午前中で終えて、午後の早い時間に家に帰り、子供をお風呂に入れたり、一緒にゲームや公園で遊んだりしています。なぜ兄に言及したかと言うと、前述の「価値観」と言う観点で、兄ほど軸が定まっている人は、他にあまり知らないからです。僕が彼のことを尊敬している理由は、「決めているから」です。他のどんな事柄よりも、家族に時間を使うこと、家族を大事にすることに、「決めている」。(中略)周囲にも、あれだけ幸せそうな人は本当に見たことがない、と言えるくらいに幸せな家庭を築いている兄ですが、それは、「何を大切にするか決めている」と言うことからきているような気がしてならないのです。(中略)人の心は弱く、どれだけ他人が羨むような状況にあったとしても、得てして、隣の芝生が青く見えてしまうものです。結婚して可愛い子供に囲まれていたり、休日にお出かけをしてプライベートライフを充実させていたり、はたまた仕事で大活躍していたり、SNSから幸せそうな知人の近所が日常的に目に入ります。そのときに、自分にとって大切なことを選び、決めていかないと、自分以外の他者の幸せが羨ましくて仕方なくなるかもしれません。選ぶ、という事は同時に、何かを捨てることです。何かを得ようと思ったら、他の何かを犠牲にしないといけない。人生の質を高めるのは選択と集中です。

 

人生の勝算 (NewsPicks Book)

人生の勝算 (NewsPicks Book)

 

 

 自分にとって大切な物を決める。これって自分が満足した生活を送るために大切かなって思うんです。時間は有限で、できることは決まっている。何かを得ようと思ったら何かを犠牲にしないと成り立たない。満ち足りているように見える人をみると羨ましい。だけど、自分にとって1番必要な物をきめて、腹をくくって生きなければいつまでもどっちつかずのままです。

この前、5時に夢中を観ていたら、マツコ・デラックスさんが、自身がここまで有名になった理由を聞かれ、こう話していました

「諦めと覚悟。全部手に入れようなんて思ってないの」

自分の本当にほしいものだけを手に入れるよう努力して、ほかはあきらめる。みんなの言う幸せと遠ざかる覚悟が必要なのかなって聞いていて思いました。この仕事は、人からよく言われないこともたくさんある。だけど、その嫌な経験を覆すぐらい楽しいこと、ワクワクすることがある。万人に好かれないことも、万人に褒められないことも、楽しい代償であるなら、受け入れようかなと今は思う。

 

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