オナホ売りOLの平日

大人のおもちゃメーカーで働くOLのブログ。

リクルートの掃き溜め

元々文章を書く仕事していたので、たまにパケかきます。

書くことだけ仕事にしていたときは、一文字も書きたくない、しぬ。みたいなことがよくありましたが、営業のあいまに、たまに文字資料書くのは楽しいですよね。

 

わたしの経歴なんですが……

リクルート系列の広告代理店で人材広告の制作(約半年/アルバイト)

web制作会社でライター(約2年/正社員)

人材系の上場企業で求人広告のライター(約半年/正社員)

AVメーカーで営業(約1年/正社員)

いま

 

大学でて、まだ5年くらいなんですけど、5社経験しているのですよ。自分でも頭おかしいんじゃないかって思います。最初の会社半年でやめたことで、仕事をやめることへの抵抗がなくなった気がします。嫌な仕事は辞めても大丈夫じゃんと思えた。

 

最初の会社では、リクルートの求人広告を作っていました。リクルートといえば……

・経験者がみんな企業する

・新しい事業とかやってる

・すごい働いて、すごい遊ぶ

・ガツガツしてる

・すごいお金もらえそう

みたいな、よく働き、よく遊び、よく稼ぐ、ガッツと勢いがあり、成り上がれるイメージを世間には持たれています。当てはまっているのもあるし、当てはまってないのもある気がします。

 

わたしがいたのはリクルートのトップパートナーという会社です。

リクルートトップパートナーとは株式会社リクルートホールディングスと販売業務委託契約を結んだパートナー企業です。

専属契約を結んでいますのでリクルートの商品だけを販売しており、かつリクルートの求人情報メディアの売上実績が高い会社を指します。

media.request-agent.co.jp

 

わたしは、アルバイトで雇用され、平日週5日、残業もそこそこしながら、時給950円でリクナビやフロムエーやタウンワークを制作していました。会社には12~3人の制作職がいて、正社員は4人。わたしが働いている間は、アルバイトから社員になった人はいません。どの同僚もサボらず真面目に働いた。それでも、社員になれなかった。

 

遅刻も欠勤もほとんどなく、真面目に5年間働いている30代の男性社員や、リクルートの広告賞にノミネートされている30代の女性など、私からみれば十分会社に貢献しているように見える人もいました。それでも、誰も、時給950円とか1000円とかで働いていた。「制作職は自分の好きなことを仕事にできているから、幸せだね」。役員はよく言っていました。

 

当時、半年ごとに雇用延長の面談を行っていました。面談で社員になりたい旨を話すと、当時の上司は「今後続けていけば、なくはないかもしれない。だけど、今は前例がないから難しい」。たぶん、「今後、続けていく」の「今後」が5年じゃ足りないのだろうと思い、わたしはその会社をやめました。

 

わたしがいた当時、正社員だった4人が社員になったのは、ずいぶん前のことです。これは私の憶測ですが、リーマンショック後の激しい景気の落ち込みを経験し、クビにできない人材をつくることを躊躇するようになったのかもしれません。

だけど、そんな会社の方針の下で、フリーターしか経験できず、まともな社会人になれない、夢だけ見て年だけとる人がたくさんいます。「自己責任」といえばその通りだけど、彼らは、真面目に一生懸命働いていた。真面目に働く人たちのキャリアを殺して、たくさんの人材広告ができていきました。キャリアの掃き溜め。

 

「なぜ、そこで頑張れるの?」

よいと言えない待遇で、夢を見続けられたのは、一握りの成功者がいたから。同じように広告を作っていた人たちが成果を出す。掃き溜めの花のように、キラキラした人が誕生する。「この仕事は華やしいキャリアの出発点になりえるんだ」と思える。だから、みんな、一握りの存在を夢を見て、毎日の仕事を続けます。現実の不安を夢想で打ち消す。

 

リクルートの代理店から、電通に転職した人がいました。彼は電通のコピーライターとして働いています。立川駅から見える「そうだ、テンガでいこう」のコピーを書いた長谷川哲士氏も、もともとはリクルートの広告制作者です。ターミナル駅からデカデカと自分の広告が見えるのは、さぞ嬉しいはず。わたしだってとてもうらやましい。

 

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書籍「書いて生きていく プロ文章論」という本を出版した上坂徹さんももともとは人材広告の制作職。制作者はわかりませんが「原君、どこ行ってもうたんや……」のリクナビ広告はネットニュースでも取り上げられるほど話題になりました。

www.itmedia.co.jp

 

ほんの一握りの花になる可能性は残されている。だから、みんな、必死に毎日、タウンワークのデザインを作って、リクナビの入力画面を埋める。掃き溜めの花になるために。だけど、悲しいことに、花になんかなれない人がほとんどです。多くの人が、待遇や安定をもとめてリクルートの制作職を去っていきます。

 

リクルート出身者はキラキラした人がたくさんいる。だけど、そんな人たちが成功するまでの間に、たくさんの人がキャリアを殺されました。

きっと、そして、そんなこと、わからず、リクルートの掃き溜めに埋もれながら、日々を浪費して、夢を見ている人は今もいるのでしょうね。逃げたわたしにはわかない。「クリエイティブ職は好きなことを仕事にできている」「好きなことを仕事にしているから、それだけでいい」そんなキラキラした言葉を享受できるほど、素直でも無欲でもなかったんです。