オナホ売りOLの平日

大人のおもちゃメーカーで働くOLのブログ。

堀江もちこ 過去のメディア掲載一覧

過去の実績がまとまっていた方が分かりやすいかと思い、メディア関連の活動をまとめておきます。

◆堀江もちこ プロフィール

アダルトビデオ、アダルトグッズの営業。広告ライター、AVメーカー広報職を経て、株式会社トータル・メディア・エージェンシーに営業職として勤務。会社員と並行して、ライターとしても活動する。

プロフィール用に撮影してもらった写真です。

 

◆著作

「オナホ売りOLの日常」という本を菅原県さんとの共著で出版しています。

◎台湾翻訳版

「オナホ売りOLの日常」は翻訳されて台湾でも販売されています。

www.books.com.tw

◆執筆記事

文春オンラインさんで記事を執筆しました。アダルトグッズやショップに関する記事です。

bunshun.jp

bunshun.jp

◆インタビュー

ウートピさんにインタビューしていただきました。「オナホ売りOLの日常」についてお話しています。

wotopi.jp

Youtube出演

作家、家田荘子さんのYouTubeに出演しました。アダルトグッズ紹介をさせていただきました

 

 


www.youtube.com

 

 

そのほか、日刊ゲンダイさんや、サンスポさん等紙媒体にもインタビューしてもらいました。出演依頼などの問い合わせは、所属会社(株式会社トータル・メディア・エージェンシー)のお問合せページに送ってください。

アイドルを殺さないために

「わたし、絶対ずっと頑張ってくから、ぜったい生き残るから!応援しててくださいね」

前のめりにファンに語る姿にかっこいいな、と思ってしまった。横で見ているわたしまで応援したくなる。以前、あるAV女優さんのイベントで、彼女がファンに語っていた。「絶対」なんて言えなくなるような、場面だってあっただろう。辛い経験も、自信がなくなる出来事だってあっただろう。でも、その、辛さを目の前のファンの前では出さない。綺麗な部分だけを見せている。わたしはそんなふうに、憂鬱を一切見せず、虚像を演じ切る女の子が好きだ。

 

最近ハマったアニメ「推しの子」を見て、そんなことを思い出していた。

 

 

「推しの子」の中で、アイドル事務所にスカウトされたアイは、当初は断ろうとする。親に捨てられ、愛されていない自分が、ファンを愛することなんてできないと、スカウトした事務所社長に伝えると、こう返される。

「嘘でいいんだよ、むしろ客は綺麗な嘘を求めている」

その言葉に、アイはアイドルになる決断をする。

アイドルになることは、虚像になること、嘘をつくことだ。いつでも前向きで、明るくて、元気で、暗い事なんて一切言わず、仕事が楽しくて、ファンもスタッフもみんな大好き、と笑う……そんな絶対実在しない女の子を実在させる。欠点を隠し、辛いこと、嫌なことなんてないと嘘をつく女の子がアイドルだ。

 

◆容姿を重要だと思うのは本人以外のみんな

「推しの子」同様、アイドルを題材にした作品に「キャッシー」という小説がある。主人公キャッシーは不思議な力を持つ虐められっこの女の子。アイドルに憧れているキャッシーは、自身もアイドルを目指すようになる。

物語の冒頭、キャッシーを虐めているクラスの美少女たちが、キャッシーが憧れているアイドルを馬鹿にするシーンがある。それをきっかけに、キャッシーは不思議な力でいじめっ子の美少女たちを惨殺していく。キャッシーに惨殺される美少女は死の瞬間まで美しさに執着する。

 

意識を失いそうになりながらも、月子は何かをつぶやいていた。うわごとのように。

「や、やめて……お願い、お願いだから……顔は、顔だけは……やめて ーっ!」

両手で顔をおおい、じたばたと身をもがいて、必死で鳥たちの襲撃を逃れようとしている。  顔……顔さえ無事なら……大丈夫、大丈夫なんだ、あたしは……だって……だって、あたしは……きれい、きれいだ、美少女なんだ……そう、そうでしょ?  ねっ、みんな、そう思ってるでしょ?  だよね?  ……絶対にそうだ、絶対に絶対にそうなんだ!  クラスメートも、先生も、全校の男子も……みんな、そう思ってる、みんなみんな、あたしに夢中……大好きなんだ、月子のことが……そうだ、そうに決まってる、あたしは……ナンバーワン……学校で一番の……美少女!  ああ、ああ、一番きれいな顔の……女の子なんだ!!  ぴたりと口笛がやんだ。さっとカラスたちが少女の体を離れ、着地する。

なんだか、わたしは違和感があった。美少女であっても、死の間際まで自分の顔に執着するだろうか。たしかに、若い可愛い女の子にとって、それを維持することは重要だろう。でも、きっとそれは沢山の重要なポイントのひとつでしかない。女の子が満たされるためには、それだけではない何かがいる。そこまでの執着を美だけに対して、持てない。いじめられっ子だったキャッシーが結果的にアイドルになったことでも分かるように、たとえ、アイドルになるだけの容姿があったとしても満たされないことだって多くある。

 

作者の中森明夫さんはアイドルを取材するアイドルライターを長く続けてきた。たくさんのアイドルたちを近くで、でも、外側から見てきた。その人が美少女をみる視点はそうなのかもしれない。そう見えるのかもしれない。女の子はずっと、かわいくて、美しくて、その美を失いたくないと思っている。

実際、傍観する人たちの中には下品な言葉を投げかけるものもいる。劣化した、老化した、老けた。美しい容姿をなくすことが、まず悪口の対象になる。

 

「推しの子」で、アイは、妊娠、出産したことを隠し、アイドルとして活躍する。アイが通った診療所の待合室。テレビで別のアイドルの結婚と出産のニュースが流れる。テレビを観ていた若い男はそれを見ながらこう話す。

「今、死ねばワンチャンアイドルの子として生まれ変われるのでは?」

「考えがキモすぎる」

「でもさ、男と子供がいるアイドル推せなくない?」

消費する側は身勝手に、次の人生のステップを踏むアイドルを拒絶する。大人になるアイドルを認められない。アイドルが恐れているのは、容姿の美しさを失う怖さなどではない、大人になっていく自分が拒絶され、居場所がなくなる怖さだ。自分自身が売り物として機能しなくなる恐怖。かわいいに執着しているのは、アイドル自信じゃなくて、見ている側の傍観者たちだ。

 

◆アイドルで居続ける未来はない

アイドルが恐れているのは、容姿が衰えることではなくて、未来がなくなることではないだろうか。最近、ある有名アイドルユニットから、女子アナになる人が続出しているとニュースで見た。

news.mynavi.jp

アナウンサーはアイドルのセカンドキャリアのひとつになっていると記事には綴られる。セカンドキャリア……そう、アイドルはずっとアイドルではいられない。

「キャッシー」と同じ著者の作品「青い秋」は、アイドルライターである著者が、1980年代から1990年代にかけて体験した出来事をモデルに書かれたと思われる小説だ。

青い秋

青い秋

Amazon

実在の人物をモデルにしたであろう登場人物も多い。その中に、岡野友紀子という名前のアイドルが出てくる。岡野友紀子は事務所の入るビルから飛び降り自死する。きっと、岡田有希子のことだ。

岡野友紀子の死後、主人公の中野はアイドルライター仲間の佐渡さんと、その死について語り合う。

「アイドルだから……じゃないかな」

 佐渡さんが顔を上げて、ぽつりと言う。

「アイドルだから……そう、アイドルだから、死んだんじゃないかな」 

えっ、何を言ってるか、わからない。

「孤独なんだよ、アイドルって。トップアイドルは、そう、頂点をきわめたアイドルはさ。夢は叶った、もう、これ以上、上へは行けない。あとは落っこちるだけだ。落っこちないように、落っこちないように、ただ、ひたすらがんばるしかない。まだ十代の若さなのにさ……それって……それって、きついよな」

目を伏せて、首を振った。

てっぺんに行って、あとは落ちるだけ、その恐怖と戦わなくてはいけない。歌を歌う、芝居もする……でも一番の売り物は、芸ではなく自分自身。だからこそ、次が分からない、てっぺんに行って、その後が分からなくなる。売り物としての自分自身が機能しなくなる。身勝手に消費する側は言う。可愛くなきゃダメ、若くなきゃダメ、子供が居ちゃダメ、結婚しちゃダメ……時を止めなくてはアイドルで居続けられない。

記事にあった女の子たちのように、女子アナになれる人はいいだろう、そうやって、他の道を見つけられる人はいい。でも、それが分からない、見つからないアイドルに待ち受けているのは、落ちるだけという意識。「青い秋」の中、アイドルライターの佐渡さんはこう続ける。

「めちゃめちゃ負荷がかかるんだよ、アイドルって。トップアイドルってさ。真面目な娘ほど、傷つくよ。グサグサやられるよ。ユッコみたいにさ。けど……けど、負荷をかけてんのって、彼女を傷つけてるのって……いったい、誰よ?」 

佐渡さんは、こちらを見た。

「俺たちじゃないか」 

はっとする。

「なあ、俺たちがアイドルを求めるから、負荷をかけてる。年端もいかない女の子を、めちゃめちゃ傷つけてる。なっ、そうじゃないか……そうだろ、中野くん」 

胸を突かれた。

「……俺たちが、ユッコを殺したんだ」 

俺たちが殺した……そうかもしれない。傍観者が身勝手な理想を押し付ける。それがいずれ、アイドルを殺す。

 

◆アイドルを殺さないためにできること

わたしたち、応援する側に何ができるだろうか。ここまで書いても分からない。わたしは、それでも、虚像を作り「ずっと頑張るから!」と言う笑顔の彼女を好きになってしまう。そして、AV女優という虚像を支える側として、応援しているファンには虚像を見せ続けてくれと願ってしまう。

だけど、わたしたちは、それが虚像であるという意識を持たなくてはいけない。過度に期待してはいけない。そして、仮に、彼女たちが、社会の期待する彼女たちでなくなってとしても、夢を見させてくれてありがとう、と思うしかない。劣化したとか、ダメになったとか、そんな言葉を投げてしまってはいけない気がする。「推しの子」でアイは、妊娠出産をしった過激なファンに殺されてしまう。そして、岡田有希子は飛び降り自殺をした。

わたしたちの虚像を求める願望が、アイドルを殺す。だから、わたしは、虚像を虚像だと認識しなくてはいけない。限られた範囲での幻。彼女たちにはアイドルではない、本名の生活がある。わたしたちはアイドルを殺してはいけない。

無視されないナンパ術

 

 

コロナ禍が収まってきたせいか、ナンパされることが増えてきました。

ナンパされる側はどう思うでしょうか……可愛いからナンパされた?嬉しい?全然違う。迷惑極まりなくて、滅んで欲しい。邪魔だし、断ると「ブス」だの「バカ」だの、暴言吐かれたりする。ブスだと思うなら声かけるなよ、うんこ。

 

まず前提として、ナンパの行為は、軽犯罪法違反や迷惑防止条例違反になる場合もあります。東京都の場合、迷惑防止条例の五条の2「つきまとい行為等の禁止」にナンパ行為が該当する場合があります。むやみに声をかけて、付きまとう行為は犯罪です。

ナンパされる側が、ナンパする側をどう見ているかというと犯罪者予備軍です。断ったら、暴言吐かれるし、面倒だな、消えてほしい、以上です。招かざる客として、ナンパ野郎なんです。

ナンパは犯罪者一歩手前だし、やめてほしいんですけど、可愛い女の子に声をかけて仲良くなりたい、ともすれば、スケベなことをしたい、そんなことを思う人は減らないと思うので、せめてマシなナンパをしてほしいと、ナンパされる側が、これなら無視しないかもしれないなーと思う、ナンパ術をお伝えします。

※あくまで私の主観の意見です。すべての人に無視されない確約はできません。無視される、警察に通報される等、実施者が意図しないことがあっても責任は負いかねます。自己責任で実施してください。

 

◆丁寧な言葉で話そう

ナンパは営業に近いと思うのですよ。相手に自分の求める行動をしてもらうために説得する。営業なら物を買ってもらうこと。ナンパなら、連絡先を聞くのか、飲みにいくのか、ホテルに行くのか、自分のしてほしいことをしてもらう。ナンパする側は説得する側、お願いする側です。その前提をもってください。

わたしはいつも思う。ナンパする奴はなぜいつもあんな馴れ馴れしいんだ、偉そうなんだ、と。タメ口で話しかけてくる。語尾に「です」「ます」をつけてる人もいるけど軽薄。その喋り方、目上の人にする?みたいな口調。営業マンが、初めての営業先でタメ口「これ買ってよ」っていうのは論外ですよね。同じことをナンパ野郎はやっています。ナンパしている側の方が下なのだから、丁寧な対応をしてください。

 

◆相手をほめよう

一人で飲んでいたら「寂しそうですね?」と知らない男に声かけられたことがあるのですが、「寂しそう」と言われて嬉しい人いるんですかね。相手をイジって距離を縮めるという方法もあるとは思いますが、それは仲良くなってからのことで、まったくの初対面の相手にそんなことされたら不愉快です。

相手が何を言われたら嬉しいかを考えて振舞ってください。安易ですけど、容姿をほめる、あとは、持っているものをみて褒める、もしくはそれを自分も好きだという。本を読んでいる人に、なに読んでいるか聞く、とか。相手に興味を持ってほめるという行為をしてみてください。敏腕営業マンのごとく、相手に好かれる振舞いを心がけてください。

 

◆提案をしよう

飲み屋で別のテーブルにいるなら、「ちょっと隣いいですか?」とか、街中なら、「よかったら飲みませんか?」とか、相手になにをしてほしいか、ゴールを提案してください。相手にこれをしませんか?と聞いてください。

飲み屋で何も言わず、ナンパのついでにぬるっと隣に居座ってくる奴に殺意を持ちます。せめて「隣いいですか?」と聞けよ。嫌だって言われるかもしれないけれど、聞かないで勝手に居座られるのは本当に迷惑で、そこからヤレる可能性はゼロです。ナンパ野郎側も、100%可能性のない相手に時間つかっても無駄じゃないですか?

そして「イエス」を言わせやすい提案は、相手がメリットを感じることだと思うんですよね。一番、分かりやすいのは、「奢ります」だと思います。タダなら一杯飲んでもいいか、と思うかもしれない。そのほか、美味しい店があるとか、そんなのでもいいかもしれないです。とりあえず、ゴールと相手へのメリットを提示してください。


◆断られたらしつこくしない

無視したり、断ったりしてもずっと話しかけてきたり、ともすれば暴言を言ったりするのは迷惑です。断られたらさっさと引きましょう。

大前提として、ナンパは犯罪一歩手前、ナンパする人は犯罪者予備軍です。しつこくして、警察を呼ばれたら犯罪者ですし、そういったしつこくめんどくさい経験を経て、ナンパする人=クソという公のイメージがより強固になります。ナンパするなら、執着せず紳士的にを心がけてください。

 


一人で飲んでいるときは一人で飲みたいし、一人で歩いているときは大概目的があるし、ナンパされたい人はいないとわたしは思っています。

それでも、ナンパする側が、女の子と仲良くなりたい、あわよくばスケベなことをしたいと思うのであれば、せめて不愉快さを極力減らしたナンパしてください。
紳士的なナンパ野郎になれることを願っています。

ガールズバーのガールズに復帰します

どうももちこです。
ガールズバーviviに復帰します。5月19日(金曜)です。

時間は未定ですが、たぶん19時ぐらい?からだと思います。

2019年10月以来、3年ぶり2度目の出勤です。

 

前回は出版イベントでしたが、今回は別に何もないです、すまんこ。
普通にガールズの一部として接客します。Twitterやブログでみなさんとやり取りはあったけれど、直接会ってのコミュニケーションはなかったので、とりたいなって思い、お願いしました。

普段、AVのイベントで会っている人もいるけど、ちゃんと話すことはあんまりないから、なんか色々お喋りできればと思います。本を書いてから、記事書いたり、ブログ書いたり、YouTubeでたり、色々してきたので、そのあたりの感想とか聞かせてもらったら嬉しいです。

girlsbar-vivi.jp

viviの基本の料金システムは以下です

飲み放題 60分 ¥4,000 ※¥4,400 tax in(女性半額)
自動延長 30分 ¥2,000 ※¥2,200 tax in(女性半額)


住所は以下です。

〒160-0021
東京都新宿区歌舞伎町2-38-2
第二メトロビル2F

 

歌舞伎町のど真ん中の店ですけど、明朗会計なお店なので、イチゲンさんもどしどし来てください。ガールズバーですけど、女の子のお客さんもOKです。どうぞどうぞお気軽に女性もいらしてください。

 

ゆるゆるとお喋りできたら嬉しいです。

もちこvivi復帰を祝ってください。

セックストイをフェムテックにしてしまっていいのだろうか

全国紙の新聞に、女性向けセックストイの一面広告が載ったと話題になった。同業者として素晴らしいと思う一方で、これが正しかったのだろうかと、思ってしまった。

 

昨今フェムテックという分野が盛んなっている。フェムテック分野の展示会「Femtech Tokyo」のサイトには以下のようにある。

www.femtech-week.jp

女性のライフステージにおける「生理・月経」「妊活・妊よう性」「妊娠期・産後」「プレ更年期・更年期」などの様々な課題を解決できる製品やサービスをFemtech と呼び、2025年までに5兆円規模の市場になると言われています。

 

女性向けセックストイも「フェムテック」のジャンルにくくられることがある。全国紙にもフェムテック商品のひとつとして掲載されたのだろう。だが、セックストイを、生理用品や更年期関連の商品と同列の「女性ならでは悩み」を解決する商品にしてしまっていいのかと、わたしは少し疑問に持っている。

生理用品は生活必需品だ。生理は、ある年代の女性ほぼすべてに、定期的に訪れる体調変化で、避けることができない。強制的に来る。だから、それに対処する商品は、なくてはならない、歯ブラシやトイレットペーパーやシャンプーと同じような物だ。

だけど、セックストイはそうではない。極論、なくてもいいものだ。なくてもいいけれど、あったらより楽しくなる人もいるし、幸せになる人もいる。いってみれば嗜好品だ。漫画やゲームやアニメなどと同じ趣味のものだ。だけど、「フェムテック」の分野においては、「趣味のもの」と「必需品」を同列に扱う。

 

女性向けセックストイが全国紙に広告掲載されたが、わたしが知る限り、男性向けセックストイの広告が、掲載されたことはない。セックス関連商品は賛否の別れるものであり、かつ、子供など一部の人たちの目にふれないように扱う商品だと思われている。それは、適切な対応だとわたしは考えている。

男性用セックストイは公にはしにくい。だけど、なぜ女性用ならばいいのだろうか。わたしの想像だが「女性ならでは商品」「フェムテック商品」というくくりでくくられ、生理用品と同じ認識をされているのではないだろうか。生理用品は全年齢対象の広告をだせる、だから、同じように女性ならではの商品として広告掲載した。

 

だけど、すべての女性が避けられない生理の問題と、趣味の商品であるセックストイを同列に扱ってしまうことで、本当にいいのだろうかと悩む。

わたしの立場を考えると喜ばしいことなのだろう。わたしの働いている会社はアダルトグッズを扱っていて、吸引ローターなど女性用のアダルトグッズも販売している。商品がメジャーになって、もっと売れますよ、と言われたらそれはすごく魅力的なのだけど、自分の倫理観として、それをしてしまっていいのかと、葛藤する。
売れてほしいけど、生理用品と同じくくりにしてしまうのはよくないのではないかと、
女性として考える。それは生理の問題の重要度を下げることにはなってしまわないか。


残念ながら、生理用品を生活必需品だと思わない人もいる。一部の男性からは生理用品を「嫌らしいもの」と捉える認識があるらしい。災害の避難所で生理用品を「不謹慎」と言う男性がいたという記事もある。

www.j-cast.com

 

生理を「嫌らしい」「不謹慎」と感じる認識はおかしい。世の中の、その認識を是正してほしい。一方で、生理用品とセックストイを一緒のくくりにしてしまうのは、その是正を後退されはしないか、と自問している。

SNSをたどっていると、生理用品が必需品ならば、オナホールも必需品だと主張する男性もいるらしいと分かる。娯楽品であるセックストイと、必需品の生理用品とでは重要度が違う。オナホはなくても死なないが、生理用品はなくては生きていけない。それは、女性向けのセックストイでも一緒だ。なくても生きていける。だから、なおの事、女性向けセックストイを生理用品と同じ「フェムテック分野」にしてしまうことへの罪悪感や疑問みたいなものがずっとある。だけど、それは自分の扱う商品の可能性を縮めることにもなる。
解決できない葛藤を抱えながら、わたしは働いていくしかないか。

最終学歴が変わらなかったとしても、中学受験したかった

ちょっと前、友達とのお喋りで、わたしの著作の話になった。
「母校に置いてもらえないんですかねー、高校の図書室に、卒業生の著書のコーナーあったじゃないですか」と彼は言う。「タイトルにオナホって入っているから無理ですよー」って笑って済ませた。
ただ、わたしは、「卒業生の著作コーナー」が学校の図書室にあることが結構ショックだった。卒業生が本を書くのが頻繁にあるってことですよね?それすごくないですか?わたしの卒業した高校のwikipediaを見たら、卒業生に作家やジャーナリストは一人もいなかった。直木賞候補になったある作家が卒業生では?と地元で噂されているけれど、本人は公表してない。直木賞候補が母校だと公表したくない学校みたいです。
だから、「卒業生の著書コーナー」をつくっても「オナホ売りOLの日常」が並ぶしかない。ここの学校をでても、オナホールを売る人生しかないと物語っているようだ。悲壮感が眩しい。


お喋りしていた彼は、地方都市のミッション系の中高一貫校出身で、喋るたびにカルチャーショックを受ける。音楽の授業では、和音の仕組みを学び、思春期の時期にヘルマンヘッセの「車輪の下」やサリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」、ミヒャエル・エンデの「モモ」を読んだ。恐らく、周りも、似た文化圏で生きてきた友人たちなのだろう。「アダルト業界の人と始めて知り合いました」、と言われ、興味深くわたしの話を聞いてくれる。オナホ売っている人どころか、オナホ使っている人も周りにいないだろうな。

 

お喋りの最中、何かの会話の拍子に「学歴コンプレックス」の話になって「学歴コンプレックスありますか?」って聞かれて、「うーん、そんなないですね」って答えた。通っていた大学は悪くも良くもない、第一志望じゃなかったけれど、自分に相応のところだろうな。思い入れも、あんまりなくて、まあ、行って悪くはなかったなとか、その程度。面白い授業もあったし、東京出るきっかけになったしよかったなー、ぐらい。だから、そのときは、コンプレックスはないって言った。

だけど、大学以前の学歴、とくに中学、高校あたりの学歴に対して劣等感がわたしはあるな、と後々思った。わたしも中学受験して、「卒業生の著書コーナー」のある学校に行きたかった。


10代後半以降の人生――大学進学とか、就職とか、それはある程度は自分でコントロールできる。学費だったり、上京費用だったり、親族に頼らざる負えない部分もあるけれど、周りを説得する話力も、資金をどうにか調達する情報収集の力も、その年齢なら得ることができる。けれど、それ以前の、幼少期の環境は自分ではどうすることもできない。通っている学校を変えることも、文化圏を変えることもできない。

わたしの周りには、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」や「モモ」が面白いと教えてくれる友人はいなかった。先生を殴って警察呼ばれる人もいたし、放課後に学校でセックスしている人もいた。生まれ育った家庭に幼少期の読み聞かせなんて文化はなくて、本を読むようになったのは、小学校高学年になってからだ。勉強して、東京の大学に進学して、なんとか、ちょっとマシな場所にいったけれど、もっと早く、心地のいい場所に行きたかった。

 

勉強して、東大や京大や一橋大学など偏差値の高い大学を出た人でも、好きになれないなって思う人もいる。物を知らない人を下に見たり、お金を稼げない人を馬鹿にしたり、自分と違う生き方をした人をあざ笑ったり、話していて嫌な気持ちになる。

そういった冷笑する人で、思春期の思い出を楽しく語る人は少なかった。そして、わたしと似た環境だった人も多い。地方出身で、地元の公立の中学、高校を出ている。きっと、同級生に混じらないように真面目に頑張ったのだと思う。努力の結果、偏差値の高い言われる大学に行って、同級生のような人たちをバカにする。オナホ売っているわたしも、そういった、卑下する対象に含まれるのだろうなと思って、そういった人にはあまり近づかないようになった。

 

同じように、偏差値の高い大学に行っても、そうならない人もいる。そういった人たちからは、幼少期の楽しそうな思い出が垣間見える。小さい時から本を読み、音楽を楽しみ、友達もたくさんいて、そのうえで勉強もできる。素行の悪い同級生を視界の端にとらえ、「あいつ等とは違う」と思いながら、教科書に向かわなくてすんだ人たち。汚い感情を抱かずにすんだ人たち。「卒業生の著書コーナー」のある学校に通っていた彼もそうだろう。だから、「アダルト業界の人と初めて知り合いました」と含みなくフラットに言える。


だけど、ここまで書いてきて、どこまで頑張っても格差は消えないんだなって思って悲しくなってきちゃったよね。悪い環境に置かれて、そこから抜け出すために、勉強してきた人たちは、どんなに良い大学にいけても、「嫌な奴だな」って思って嫌煙されてしまう。わたしがそうするように、付き合わないようにしようと思われる。だけど、これはきっと、彼らが、努力した裏返しでもある。成績を上げて大学に入るための負荷が大きかったし、10代の時間を勉強だけに突っ込んできた。ヘルマンヘッセやサリンジャーも受験勉強以外の目的では読まなかったかもしれない。そんな時間的余裕はなかった。そして、その余裕のなさが、人を遠ざけてしまう。

 

一方で、理解ある人々に囲まれた人は、いい大学でていても、人柄もよく支持される。
でも、それって、すごく恵まれた環境にいる、昔の言葉を使えば、ブルジョアな人なんだよな。

あいつ等とは違うと思わないで済んだ彼らが、わたしはちょっと羨ましい。ずるいと思ってしまうときもある。けれど、小説「モモ」で、素直に、楽しそうに、人の話を聞いてくれるモモの元にみんなが集うように、少しの劣等感を抱えながらも、フラットに耳を傾けてくれる人の元に人々は集う。モモのような人のところに、みんな行ってしまうんだ。
モモと喋る人々がそうであるように、素直に育った人たちと話すのは楽しいから。
どんなに努力しても、育った環境から逃げられないってことか。

 

 

<紹介した本たち>

モモは大人になってから読んでもいい本でした。思春期に読めなかった方もぜひ。
「成功してお金を稼げれば、友情も愛情も手に入る」。時間泥棒の灰色の男たちは、モモにそう言い丸め込もうとする。そんなことない、と明言できる大人になりたかったな。

 

卒業生の著作コーナーには置けないであろうわたしも本も読んでください。レビューに子供の目に届くところに置くなと嫁に怒られました、と書かれていました。

 

最強の綿パンはサルートに勝てない

一緒に着替えているとき、「こんな綿パンみたいなのわたし着れないよ」と彼女は言った。

そのサルート(もどき)がそんなに偉いか。

 

そして、こんな綿パンと言われたが、厳密に言うと綿ではない。ポリエステルだ。クシャクシャしたポリエステルの一枚布の下着だ。総レースで刺繍してないと、全て綿パンか認定か、おかしいだろ、この女。新宿小田急で、上下13000円くらいした下着だ。

そもそも、一緒の場で着替えているからって、人の下着盗み見てとやかく言うな。ダセエ下着を着た女は、盗み見て、文句言っていいって思っているのか、クソが。

雑誌で見て、ほしくなって小田急にわざわざ行って買った下着だった。あたかもダセエ下着みたいに扱われたのがムカついた。お前の履いているサルートもどきより高けえよ、きっと。

ただ、そこは小心者のわたくしなので、ああ、そうかな、えへへと、ちいかわのごとくヘコヘコ笑うしかなかった。美意識高く生きて、サルートもどきのTバック履くのがそんな偉いかと殴りたかったが、わたしはそのとき、まだ、ボクシングをやってなかったし、範馬勇次郎風の体系でもない。左フックも、右ストレートも存在すら知らない。ちいかわになるしかない。美意識高く生きることが、彼女にとっての正義だったのかもしれない。だがな、お前にとっての正義であっても、わたしに押し付けるな、人の好きな物に対してとやかく言うな、うんこ、とちいかわの笑顔で思っていた。


さて、そんな、サルートっぽい下着をつけた女性にバカにされてから、7、8年経った。
今、わたしは、綿パンみたいとバカにされた上下13000円の下着は残念ながらつけてない。お金持ちではないので、下着まで、お金が回らなくなった。

下着に回していたお金はボクシングジムの月謝に突っ込み、週3でボクシングジムに行っている。練習中は、スポーツブラ一択になった。まるで中学生だ。

サルートはおろか、サルートもどきですらない。美意識を一切無視した商品を着ている最中、ふと、オシャレな欲がでてこれでいいのかと思う。そして、7年前の記憶がよぎる。綿パンなんて履けない女に、スポーツブラを着ていると言ったら、「わたし着れないー」と謙遜を装いつつ、美意識の権化みたいな言葉を羅列させ、ダセえを意味する空気を醸し出すことだろう。バカにしろよ勝手に。俺は、もう左フックも前蹴りもできる。

それでも、記憶にこびりついた綿パン履けねえ女を圧倒するために、すげえお洒落だけど、ダセえ下着を欲しくなった。俺のダセえこだわりと、おしゃれが両立したなにか。

 

そして見つけた。カルバンクラインのスポーツブラ。

スポーツブラなのに、7000円以上する。たけえ。パンツも4000円近くする。正真正銘の綿パンで4000円だった。上下合わせると、1万2000円もする。小田急で買った下着ぐらいたけえ。これで、サルートに勝てる。これならサルート以上だ。

そう思ったが、


サルートはブラだけで、13000円だった。

最強の綿パンはサルートには勝てない。

ストリップという世界

エッセイストでストリッパーの新井見枝香さんのnoteで、「新井モーニング」なるイベントの案内を見かけました。

note.com

 

ストリップに行ってみたいけれど勇気が出ない。

ストリップに興味はあるけれどルールがよくわからない。

ストリップに行くのは久々でちょっと不安だ。

 

そんなあなたに、新井モーニングのご提案です。

上野の純喫茶で朝食を食べながら、システムやルールのご説明、

可能な限りご質問にもお答えし、その後、劇場に向かいます。

 

朝10時に喫茶店に集合。コーヒーを飲みながら、新井さんにストリップの説明を受ける企画です。

ストリップ劇場に行ったのは、7年前、上原亜衣ちゃん公演に浅草ロック座に行っただけ。それも、会社の人と一緒だったからただついていっただけでした(新井さんには、初めてですと言ってしまいました。すいません)

 

ロック座に一度行ったから、なんとなくのイメージはあったけれど、それでも、後ろの席で、観ていただけなので、そこまで覚えてない。

一度ちゃんと見てみたいなって思っていたときに、新井見枝香さんが、ストリップデビューしたと聞き、見に行きたいと思い、企画に参加しました。参加してよかったし、ストリップとても楽しめた。

 

◆女性一人でも全然OK、だがとても狭い

ストリップのイメージって、あまりよくなかった。まな板ショーがあるんじゃないかとか、酔っ払いばかりなんじゃないか、とか、怖いイメージがもともとはありました。浅草ロック座に行ったので、そこまで無秩序な場所ではないとは知っていましたが、それでも、なんとなく一人で行くのは怖そうって思っていました。

行ってみたら、一人で、全然大丈夫で、早い時間だったせいが酔っ払っている人もおらず、みなさん静かに、鑑賞されていました。きれいな女性の身体を見るという目的の場所だと分かりました。

 

今回行ったのは、池袋のミカドというストリップ劇場でした。浅草ロック座が大きな劇場だったので、池袋のミカドに入って、最初に思ったのは、思ったより狭いなということ。入って前方にはステージ、その真ん中に、デベソのようなでっぱりがあります。デベソの両脇に、病院の待合室にあるような三人掛けの長椅子が、4脚ずつ左右に配置され、後方には立ち見用の柵。椅子が8脚しかないので、もちろん座れない人もいて、平日でも後ろで立ち見している方もいました。土日はもっと混雑するようなので、早めに行って席を確保するのが、いいみたいですね。

 

◆踊り子さんたちは年功序列社会

ストリップ劇場は、系列店舗があって、ロック座の系列、TS(もともと新宿にあったTSミュージック)の系列など系列があり、デビューした系列の劇場にしか、基本は出演できないという決まりがあります。新井さんもいつか浅草ロック座に出演するのかな~と、わたしは思っていたのですが、それは難しいらしいです。

そして、これはAV業界にはないルールですが、踊り子さんは先輩後輩の関係が厳しい。デビューが先の人を敬う文化があるようです。差し入れも、デビューが早い人から食べる。体育会系の文化。

そして、若いから売れるというわけでもないようです。AVの場合、デビュー作が一番売れて、その後、売れなくなっていくことが多いですが、ストリップは、デビュー10年、15年の踊り子さんが、新人より売れているなんてこともある。

売れっ子ストリッパーは、ファンがついて、長く活躍している人が多いようです。入れ替わりが少なく、キャリアが長いほうがいいというのは、AVの世界にいるわたしは新鮮でした。

 

◆セックス不在の裸体の美しさ

これはわたしがAVの世界にいるからかもしれませんが、セックスはなく、ただただ女の人の裸を見るというのは、不思議でした。AVの世界にいると、仕事で脱ぐというのは、セックスするために裸になるという認識になってしまいます。しかし、ストリップはそうではない。美しい裸を見せて終わる。

美しい裸を見せる目的で脱いでいるから、踊り子さんはすべて、均一の美しい基準を保っています。AVならば、剛毛でも、ちょっとぽっちゃりしていてもそれがセールスポイントになります。しかし、ストリップでは、そういった人はいません。ショーのためという側面もあるとは思います。毛が多いと身体が見えにくいし、太っていると筋肉のしなやかな動きが見えない。だけど、彼女たちの裸体が与えるのは、そういった実利だけでなく、美という感情的な側面もあります。保守的な「美しさ」の基準を厳格に守った身体は、見惚れてしまうくらい美しい。

劇場には、女性のお客さんもいました。性的な興奮ではなくて、美しい身体をみたいという欲求を持ち、ここに来る人がいるとことは、わたしも理解できました。

 

◆好きな人だけが楽しむ秘められた世界

ストリップでは、スマホでの撮影が一切禁止。ショーの最中は、スマホを取り出すこともマナー違反です。

写真を撮りたい方は、1枚500円でポラロイドの撮影をします。踊り子さんが持参したデジカメで撮影し、後で印刷し、お客さんに渡されます。その際も踊り子さんのカメラ以外では撮影禁止です。

ポラロイドも踊り子さんの許可がなければ、ネットにアップしてはダメみたいです。そこまで厳格に外にもれないようにしているのは、ストリップがグレーな世界だから。公然わいせつに問われることもあります。一昨年には上野の劇場に警察が入り、営業停止になりました。

motion-gallery.net

 

グレーな世界だから、みんなで公に出しすぎず、守っていこうという雰囲気があるようです。

わたしはこの、公にせず、好きな人だけで楽しめるように守っていこうという姿勢がちょっと羨ましかった。AVの世界は、「性をオープンにしよう」「クリーンだとアピールしよう」と進み、公にでてバッシングされた。

賛否のある世界だから、好きな人だけが楽しめるようにファンたちも含め、整えていこうとする姿勢は羨ましい。そのせいで、一言さんが入りにくいという欠点はあるのだろうけど、それを克服しようと、「新井モーニング」という企画を新井さんが企画し、この世界に触れることができてとてもよかったなと思う。

 

新井さんからOKが出たので、ポラロイドをアップします。ストラップと周年記念ボールペンももらいました。写真は載せてないですが、ショーの最後、新井さんの着用済みパンツも貰いました。

またストリップに行きたいな。パンツ大切にする。