オナホ売りOLの平日

大人のおもちゃメーカーで働くOLのブログ。

最強の綿パンはサルートに勝てない

一緒に着替えているとき、「こんな綿パンみたいなのわたし着れないよ」と彼女は言った。

そのサルート(もどき)がそんなに偉いか。

 

そして、こんな綿パンと言われたが、厳密に言うと綿ではない。ポリエステルだ。クシャクシャしたポリエステルの一枚布の下着だ。総レースで刺繍してないと、全て綿パンか認定か、おかしいだろ、この女。新宿小田急で、上下13000円くらいした下着だ。

そもそも、一緒の場で着替えているからって、人の下着盗み見てとやかく言うな。ダセエ下着を着た女は、盗み見て、文句言っていいって思っているのか、クソが。

雑誌で見て、ほしくなって小田急にわざわざ行って買った下着だった。あたかもダセエ下着みたいに扱われたのがムカついた。お前の履いているサルートもどきより高けえよ、きっと。

ただ、そこは小心者のわたくしなので、ああ、そうかな、えへへと、ちいかわのごとくヘコヘコ笑うしかなかった。美意識高く生きて、サルートもどきのTバック履くのがそんな偉いかと殴りたかったが、わたしはそのとき、まだ、ボクシングをやってなかったし、範馬勇次郎風の体系でもない。左フックも、右ストレートも存在すら知らない。ちいかわになるしかない。美意識高く生きることが、彼女にとっての正義だったのかもしれない。だがな、お前にとっての正義であっても、わたしに押し付けるな、人の好きな物に対してとやかく言うな、うんこ、とちいかわの笑顔で思っていた。


さて、そんな、サルートっぽい下着をつけた女性にバカにされてから、7、8年経った。
今、わたしは、綿パンみたいとバカにされた上下13000円の下着は残念ながらつけてない。お金持ちではないので、下着まで、お金が回らなくなった。

下着に回していたお金はボクシングジムの月謝に突っ込み、週3でボクシングジムに行っている。練習中は、スポーツブラ一択になった。まるで中学生だ。

サルートはおろか、サルートもどきですらない。美意識を一切無視した商品を着ている最中、ふと、オシャレな欲がでてこれでいいのかと思う。そして、7年前の記憶がよぎる。綿パンなんて履けない女に、スポーツブラを着ていると言ったら、「わたし着れないー」と謙遜を装いつつ、美意識の権化みたいな言葉を羅列させ、ダセえを意味する空気を醸し出すことだろう。バカにしろよ勝手に。俺は、もう左フックも前蹴りもできる。

それでも、記憶にこびりついた綿パン履けねえ女を圧倒するために、すげえお洒落だけど、ダセえ下着を欲しくなった。俺のダセえこだわりと、おしゃれが両立したなにか。

 

そして見つけた。カルバンクラインのスポーツブラ。

スポーツブラなのに、7000円以上する。たけえ。パンツも4000円近くする。正真正銘の綿パンで4000円だった。上下合わせると、1万2000円もする。小田急で買った下着ぐらいたけえ。これで、サルートに勝てる。これならサルート以上だ。

そう思ったが、


サルートはブラだけで、13000円だった。

最強の綿パンはサルートには勝てない。