オナホ売りOLの平日

大人のおもちゃメーカーで働くOLのブログ。

杉田水脈でもなく、弱者至上主義でもなく

美容院にいったら、最近は雑誌ではなく、タブレットが渡されるんですね。SPA!を読んでいたら「真面目なもの読むんですね」と美容師さんに言われ、取り繕うつもりで「ぜんぜんそんなことないですよ、ナンパの方法とかですよ」って言ったらドン引きされました。困るね。

それで、美容院に行くたびに、男性週刊誌を読むんですが、最近は、小林よしのりが、SPA!でも、FLASHでも連載しているんですね。SAPIOの連載も続いていて、よしりん働きすぎじゃないか。過労死しないか心配ですよ。それで、FLASHの連載では、杉田水脈さんのLGBTは生産性がないという発言に対して、否定的な意見をのべつつも、ミッツ・マングローブさんの意見を紹介しながら、弱者至上主義になることも危うさも伝えていた。

FLASH (フラッシュ) 2018年 9/25 号 [雑誌]

FLASH (フラッシュ) 2018年 9/25 号 [雑誌]

 

ミッツ・マングローブ杉田水脈の発言について、「怒るとか傷つくとか通りこしてあきれちゃって、お粗末すぎて物が言えない」と批判する一方、「(LGBT)当事者たちもそこを常に冷静さを保ちつつ、あんまり“弱者至上主義”みたいなものに陥りすぎないようにしていなきゃいけない」と発言した。ミッツ・マングローブは「宿命」を受容する覚悟を持つ人だと感心した。

FLASH9月25日号「よしりん辻説法」

 

もちろん、杉田水脈さんの発言は差別であって、ミッツさんの言う通り、お粗末すぎる無知で、大人として言ってはいけない内容。だけど、一方で、「だから弱者はほかの人を差し置いても優遇されるべき」は違うように思う。マイノリティ本人が幸せになることは必要だけど、だからといって、他人に迷惑をかけていいわけではないし、マイノリティである自覚も必要にはなってくると思う。

 

◆マイナスイメージを受け入れるからクール

マイノリティ批判としては、最近はタトゥー批判に対する、否定的な意見もあると思う。タレントがタトゥーを入れたことに対して議論が起こっている。この前、アベマプライムを観ていたら、アメリカでは14%の人がタトゥーを入れていて、日本と比較しタトゥーを入れる人が多いとも紹介していた。海外ではメジャーであるという事実は理解できるし、わたしも周りにタトゥーを入れている人もいる。だけど、それでも、日本で入れるのではれば、タトゥーを入れる覚悟、マイノリティになる覚悟みたいな思いをなく入れるのはよくないよう思う。

headlines.yahoo.co.jp

 日本で生活していくのであれば、タトゥーを入れるのであれば、マイナスイメージをもたれることもあるし、それに伴うリスクもある。それを分かったうえで、入れたいのであれば入れてもいいと思うし、そのリスクを覚悟することも含めクールでかっこいいようにわたしは思う。お洒落だから入れたい、だけど普通の人と同じように幸せにもなりたい、というのは今の日本では多くを望みすぎているよう私は思う。普通じゃない覚悟、批判をされる覚悟があるからこそ、価値がある。

 

◆他人に迷惑をかける権利はあるのだろうか

小林よしのりさんは、前述したマンガのなかで、歌手のエルトン・ジョンがドルチェ&ガッパーナの不買を訴えた発言を紹介している。これは、ドルチェ&ガッパーナのデザイナーであり創業者でもあるドメニコ・ドルチェステファノ・ガッバーナが、エルトン・ジョンを批判したことが原因だ。エルトン・ジョンが同性のパートナーとの子供を代理母に依頼し、産んでもらったことを否定する意見を発した。ドメニコ・ドルチェステファノ・ガッバーナの二人もゲイカップルであるが、エルトン・ジョンの行動を肯定することはできなかった。

これは賛否の分かれる難しい問題だと思う。タトゥーに関して、自己の意思で入れるか、入れないかを判断できる。しかし、同性愛であることを、本人たちは選ぶことはできない。だから、本人たちが幸せであるならば、自由恋愛も、場合によっては結婚も認められていいと私は思う。だけど、子供に関しては、二人の問題ではなくなる。

同性愛の親が居るということはメジャーではない。社会生活の中で差別を受ける可能性も高くなる。おそらくほかの子供よりも傷つくことも多くなるだろう。その苦労や嫌な思いがどう将来に影響するか分からない。結果的に、子供たちの才能を伸ばすことになるかもしれない。だけど、それだけど、子供が苦労するであろうカップルが子供をもうけることに批判的な意見があることも理解はできる。

子供は親を選べない。だから、子供に対して「あなたは可哀相だね」というのはぜったいによくないと思うと以前ブログで書いた。 

mochi-mochi.hateblo.jp

 けれど、選ぶことができる立場である両親が、子供を持たない選択をしたほうがいいという意見は理解できる。難しい問題だし、ドメニコ・ドルチェステファノ・ガッバーナの意見に賛成も反対もできないけど、理解できる。自分たちの問題であれば好きにしたらいいけど、他人を不幸にさせる可能性があるのであれば、考えた方がいいようにも思ってしまう。

 

◆普通でない生き方をする覚悟

リクルートの創業者の江副浩正は、家庭を顧みず働いたゆえに、妻に離婚され、家族に関係を断たれ、趣味のスキーの帰りに東京駅で一人倒れ最期を迎えた。リクルートという巨大な怪物企業を作った成り上がり経営者だったけれど、すべてを仕事に費やしたぶん、普通の人が手に入れる家族のあたたかさや幸せは手に入らなかった。人と違うことをするというのは、人のできない成功体験もできるかもしれない。でも一方で、ふつうの幸せや、ふつうの人間関係を得られないこともある。たぶんね、マイノリティで居続けるためにはその覚悟が求められるように思う。