オナホ売りOLの平日

大人のおもちゃメーカーで働くOLのブログ。

排他的な社会を食い止めるために必要なことは、「日本人ファースト」に熱狂する人の話を聞くことなのに、だれも出来ないね

雨宮処凛さんのコラムが面白い。

maga9.jp

 

雨宮さんの文章を初めて読んだのは、大学時代だった。当時はリーマンショック直後で、派遣切りが話題になり、小林多喜二の小説「蟹工船」がブームになっていた。

そんな時代に、社会を語る雨宮さんは、舌鋒鋭く、当時のわたしにとっては、『怖い活動家』に映っていた。言っていることは正しいかもしれないけれど、強い言葉で訴えて怖い人だなと見えていた。

 

だから、読むことを避けていた書き手だった。だけど、最近、偶然、コラムを読んだら、とても好きな文章でずっと読んでいる。大学時代のわたしが思っていたよりも、ずっと優しくて、寄り添う人だと文章から伝わってきた。わたしは悪い方に勘違いしていたのかもしれない。

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雨宮さんは、困った人は困っている人だと言う。ヘイトを言い、排他的で、周りから困った人と見られるような人は、その人自身が困っている。彼女の言葉はわたしも本当に思っていることだ。

その政党を批判するのはいいけれど、支持者を馬鹿にしたり、卑下したり、人間性を否定するようなことを言うのは、状況を悪化させる、とわたしは思っている。
本当に、よくしたい、その主張が広めるのを食い止めなくてはいけないと思うのであれば、それを信じてしまう人に寄り添うことだ。
それ以外の言論は、ヘイトを悪化させることにしかならないのだから、黙っていてほしいとすらわたしは思う。

 

だけど、リベラルを自称する人たちは、雨宮さんの記事を素直に受け入れられない。

「自分は雨宮さんほどやさしくないから、ヘイトをまき散らす人はくたばってくださいとしか思わない」

ネット上でこの記事に対して、このようなコメントを見つけてしまった。なんだか、わたしはどうしようもなく悲しくなってしまった。貧困を見てきた彼女が、言葉を尽くして文章を書いていても、何も伝わらないし、何も変わらないのだなとも思った。


◆わたしも寄り添えていない

ではあなたは? そう問われるとわたし自身もまったくできていない。リベラルを自称する人たちと変わらない。

「日本人ファースト」を唱え始めた人がわたしの周囲にもいる。共通の知り合い経由で会う程度の知り合いで、もともと特別親しいわけではない。よく行く飲み屋でたまに会う程度の仲だった。話せば楽しいし、悪い人ではないと思っていた。

ただ、ある時期から、時折「日本人ファースト」の主張をするようになった。反論したら、怒られそうだし、悪く言われそうだし、違うと思いながらも、一旦は反論せず傾聴するしかない。だけど、そうやって話を聞くのはとても疲れる。結果、わたしはその人と距離を置いてしまった。心に負荷がかかるし、関われなくなってしまった。

たぶん、多くの人の本音がこれなのだと思う。自分が優しくないとか、相手の人間性が悪いとか、そんなことよりも、自分の心に負荷がかかるから、そこまで寄り添うことができない。

それだけの理由だ。そして彼らはより孤立する。そして、孤立した人が寄り添ってくれる人を探した結果が、ヘイトにすら見えるその主張だったのではないかと、わたしは思う。

 

◆「外国籍の人と全く関わらずに生活をしている人」を想像してみて


TBS「報道特集」で、アナウンサーの発した言葉がニュースになっていた。
7月12日に放送された報道番組『報道特集』(TBS系)では、「選挙運動の名のもとに露骨なヘイトスピーチが」というテーマで、20日に投開票される参院選がクローズアップされた。

jisin.jp


わたしは番組を観ていないけれど、「日本人ファースト」を唱える政党に対しての疑問をそのアナウンサーは述べていたようだった。

www.zakzak.co.jp



www.asahi.com

 

「実際、外国籍の人と全く関わらずに生活をしている人って実はほとんどいないと思うんです」


このアナウンサーも「日本人ファースト」に熱狂する人々の話を熱心に聞いてはいないのだろう。そんな気がしてしまった。

 

わたしが、大学進学で上京するまでに接した外国籍の人は英語のALTの先生だけだ。今でこそ、海外にルーツを持つ人と接する機会はあるけれど、それは、大学で上京した以降の知り合いで、地元にずっといたら、知り合うことはなかっただろう。私は東京に行かなければ外国籍の人と接しなかった。

mochi-mochi.hateblo.jp

 

きっと「日本人ファースト」に熱狂する人々の周りに、頻繁に関わる外国籍の人はいない。

もしくは、あまり好きになれない人しかいない。
たとえば、同じ職場(その多くは工場やサービス業)で働く同僚で、自分よりも安い金で働いていて、もしかしたら仕事を奪うかもしれないと恐怖を感じるような外国人。昔ブログにも書いたけれど、そうやって外国籍の人へ嫌悪感をもってしまう人たちをわたしは想像できる。

 

mochi-mochi.hateblo.jp

 

外国人に寄り添えない理由のある人を、あのアナウンサーは視界から消している。
この番組が、公平性を欠いているという批判があるけれど、わたしはそれとは違う側面で批判したい。それは、ある人たちを置き去りにしている。恐怖を覚える人たちを取り残している。そんなことを考えていたら、似たことをを雨宮処凛さんも言っていた。

 

maga9.jp

 ちなみに私はクルド人ヘイトには当然反対の立場だが、では自分が住む地域に言葉が通じない人たちがたくさん住むようになったら、不安になるのは当たり前だと思う。そんな中、なんの情報も前提もフォローもないまま「差別をする人間はクソ」「共生しろ」と言われてもどうしていいかわからないし、戸惑うに決まってる。

 しかし、不安を口にした途端(その不安を、万人にわかる形で誰も傷つけず上手に表明できる人とできない人がいる)、「こいつは差別者だ!」と批判されたとしたら。

 ものすごく傷つき、心を閉ざすだろうと思う。

 

だけど、この問題に対しても、リベラルな人たちは真剣にとらえていない。
記事にあったように、声優林原めぐみさんが非難されたとき、そのことに対して、「外国にいってヘイトされたどう思うか想像してみて」というネット上のコメントをみた。
だけど私はその人に言いたい。パスポートも持ってない、外国にも行ったことがない、日本語しか分からなくて、安い給料で働き、特別な能力もない、そんな日本人を想像してみて、と。日本にたくさんいるこの人たちを想像してみて、と。それは私の弟なのだけど。

わたしの弟は、高卒で、工場に勤めていて、パスポートももっていなくて、楽しみはゲームで、独身で、わたしよりずっと給料が安い。

弟と政治の話はしたことないけれど、もし「日本人ファースト」に熱狂していたら、そのときはちゃんと寄り添って、話を聞くしかないと思っている。その時だけは切り離せないし、わたしにとっては想像できる恐怖でもある。

わたしは、わたしの弟の存在を想像してくれない、リベラルを自称する人に怒っているのかもしれない。恵まれた立場でいいな、ずるいなと思っているのかもしれない。

だけど直後に、それが「日本人ファースト」に熱狂する人の気持ちと酷似していると分かってゾッとした。