前の記事でも書いたけど、NHKニッポンのジレンマの収録を見学してきたよ。
2月24日(土) 夜12時半からEテレで放送するみたいなので観てね!
わたしが話しているところ、もしかしたら写るかも??
◆前田裕二社長と話したこと
今回の論客の中にSHOWROOM社長の前田裕二さんがいらっしゃったのですよ。
SHOWROOMは、アイドルやタレントさんが、ライブ配信する動画配信サービスで、演者さんにネット上でプレゼントした商品が、演者さん自身が課金化できるシステム「ギフティング」が話題になっています。
前田さんのことは以前から知っていて、前田さんの書かれた「人生の勝算」 の読んでいました。著書に書いてあった、スナック的な雰囲気の作り方は、わたしもイベント運営等で参考にさせてもらっています。
収録の際、前田さんはこれからは「共感」がお金を生み出すという話をされていました。以前は、映像や音楽コンテンツにお金を払う「コンテンツ経済」でしたが、現在は、実際の体験にお金を払う「体験経済」、演者に共感し応援の意味を込めてお金を払う「共感経済」に移っていく。
以前、わたしのブログでも、DVDが売れず、イベント中心の集客になっていると書きました。
コンテンツ自体に価値がなくなるというのは、流れとして明確で、それに代わるものが「共感」「体験」になる。DVDの発売イベントも体験を提供するサービスです。AV業界は「体験経済」はDVD発売イベントを行うという形で実施しています。ただ、共感に関しては、まだ実行できていない部分なので、収録後にお時間をいただき、「共感経済」を中心に前田さんのご意見を質問させていただきました。
共感経済の例として前田さんは堀江貴文さんの「堀江貴文イノベーション大学校」のことを例にお話してくれました。
月額1万円以上の会費を払うオンラインサロンですが、一定の会員はいる。調べてみると、2016年で800人、現在はもう少し増えているかもしれません。
堀江さんだから話を聞きたい、交流したいといったように、人に共感し、お金を払うビジネルモデルはユーザーから需要がある。
◆サブスクリプション方式が細々と残るAV業界
「AVというコンテンツが残る方法はあると思いますか?」という質問すると以下のような答えをくださりました。
コンテンツのビジネスとしては、利用権を借りて、利用期間に応じて金額を払う「サブスクリプション方式」が現在、増えている。HULUやアマゾンプライムのようなネットフリックスもその一例。アダルト版HULUを作れば、それで、収益化をできるかもしれない。
ネット動画サイトを例にしながら、詳細にお話してくれました。アダルト業界でも、DMMは定額で利用するユーザーが多いですし、プレステージの運営する「MGS動画」も定額制で利益をあげています。たしかに、前田さんの言うことはその通りで、その方法で収益を上げている企業はある。
「ただ……」
納得しながらメモしていると、前田さんは話をつづけました。
「それでは、演者にかえってこないですよね」
ああ、たしかに。動画を配信して、利益はでるけど、それは、定額だから、いくら観てもらっても出ている女優の収益にはならない。実際、AV女優のギャラは以前より下がっていると言われています。
◆お客さんの需要を考えない業界はなくなる
業界の方で、AVを観ないユーザーを批判する人がいますが、それは違和感があります。お金を払う価値のあるものを提供できないのは、わたしたちの力のなさで、需要のない商品にお金を払えは違うと思う。
わたしはこのとき、前田さんにひとつ、聞き忘れてしまったことあるんです。
「この業界なくなると思いますか?」
わたし自身は、AVというメディアは衰退していくよう思います。DMMやMGS動画のような一部のサブスクリプション方式が細々と残り、あとは縮小していく。盤としてのDVDのソフトはイベントや撮影会など体験ありきの販売になっていくと思っています。
AV女優の仕事は少なくなるし、AVにでる女の子のギャラも下がる。演者に還元されない業界になる。給料が安くなれば、出たい女の子は減るだろうし、AV女優は今より少なくなるでしょう。現に、今、ロリメーカーミニマムがなくなり、ロリ系の作品が少なくなったことで、ロリ系で売ろうとする女優が少なくなっていると弊社の制作からは聞きます。陰毛を剃る「パイパン」にするモデルがいなくなて困っています。
AVへの需要がなくなれば、AV全体にこれが広がるでしょう。AV女優になる人は少なくなる。そうなる前に、共感経済や体験経済にシフトするアダルトコンテンツをわたしたちは考えなくてはいけない。わたしたちには次の一手が必要。
前田さんならどう答えてくれるのか、もし、次の機会があるならうかがいたいです。