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放送法4条改定でNHK番組改変問題がもう一度起きてしまわないか

3月27日の日経に放送法の改定が検討されているという記事がでていました。

www.nikkei.com

www.newsweekjapan.jp

 

www.huffingtonpost.jp

 

番組制作と、放送設備事業を切り離して制作にインターネットも含めた新規業者を受け入れようとしているようです。新規業者が入ってくることに関して、民放各社は、競争が激しくなることで安定的な放送ができず、有事の際に視聴者が必要な情報を放送できなくなる恐れがあると反論しています。

有事の際の安定的な放送ができなくなることも大きな懸念事項だと思います。しかし、わたしは、番組制作の規制緩和部分よりも、政治的公正や多角的な視点を持つように定めた放送法4条の撤廃に危機感を覚えます。

 

NHK番組改変問題を思い出す

わたしは大学のメディア系の学科を卒業しました。2000年代後半以降に、マスメディアに関係するテーマを専攻した人ならば「NHK番組改変問題」を知っていると思います。

2001年に放送したNHKのテレビ番組「問われる戦時性暴力」の番組内容に関して、当時の、経済産業相中川昭一氏と内閣官房副長官安倍晋三氏が放送内容を改めるように、水面下で圧力をかけたのではないかと言われる問題です。NHK側の内部告発により問題が発覚しました。

NHK番組改変問題 - Wikipedia

ETV改変事件をめぐるNHKへの政治介入に対する声明

 

 

 

NHK番組改変問題」は放送法の三条「法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」に抵触するということで問題になりました。ですから、放送法4条が仮に撤廃されたとしても改定後に同様の問題提起は可能です。しかし、「NHK番組改変問題」の発覚は内部告発により起きています。もし、告発する人がいなかった場合、圧力によりゆがめられたニュースであっても、それ自体は問題にはなりません。これまでの法律でしたら、ゆがめられた内容が問題視され、圧力の発覚になることがあるでしょう。しかし、改定により公平性は問われない。つまり、ゆがめられた内容であっても、問題にならず、そのまま視聴者に届き、訂正されずすぎる恐れがある。それは、ものすごく怖いように思いました。

 

◆フラットな視点を保ち続けられるのか

NHKは財源を税金に頼らないことに関してこのように答えています。

財源を税金にすることは、すなわちNHKの運営資金を国家権力に依存するということになり、財政面で時の政府の大きな影響を受けることになります。そうなると、NHKの事業運営の自主性が損なわれ、表現の自由を守るべき言論報道機関としての役割を十分に果たせなくなるおそれがあります。

財源を税金にすることはできないのか|NHKよくある質問集

 

番組制作において、制作者の主観が入ることはあるでしょう。しかし、NHKの番組は、取材した内容に基づき、できる限りフラットな視点での番組ができていると、視聴者である私は思っていますし、NHK側も外部からの影響を受けないよう財源を視聴者に頼っています。取材に基づいた視点が失われやすくなる恐れが、この改定にある。放送法の審議は文書改ざんに隠れて報道されることは少ないですが、すこし怖いなと思いました。