オナホ売りOLの平日

大人のおもちゃメーカーで働くOLのブログ。

キモくなれないおじさんに未来はない

日経新聞を読んでいたらこんなニュースを見つけました。 

www.nikkei.com

経済産業省は大都市で働く大企業の中堅社員を念頭に、地方の中小企業への転職を後押しする取り組みを始める。地方の大学で研究員として学び直しをしつつ、地元企業と関係を持ちながら相性が合えば転職できるようにする。

 

信州大学みずほ情報総研などと組み、10人程度の客員研究員を募集する予定だと記事では紹介していました。地方を活性化するための取り組みのひとつに見えますが、大企業の中堅社員に限定しているところが少し特長的なところかなと思いました。大企業という安定した場所にいる中年に環境の変化や新しい学びを与えようとする風潮があるのかもしれない。若者に学びとかではないのですよね。

 

◆大企業かベンチャー企業

ニュースサイト「Newspicks」の最高コンテンツ責任者、佐々木紀彦さんは大企業に勤めるビジネスマンと新興企業に勤めるビジネスマンをアメリカの東海岸・西海岸に例えて話しています。

「渋谷はホリエモンが好きで、丸の内は新浪剛史が好き」NewsPicks編集長・佐々木紀彦が語った。2016年メディアはバイカルチャーになるべきだ | みんなのスタンバイ

 

千代田区あたりが境目じゃないかなと思っていまして、西海岸は渋谷や六本木といった、IT・スタートアップが強いエリアです。一方の東海岸は、丸の内や霞が関エスタブリッシュメントな人たちがいるエリアです。この2つの文化が予想以上に違っているのを、東海岸のメッカみたいな東洋経済からに西海岸へ移ってきて痛感しました。

 

「2つの文化がどんなふうに違うのか、典型例を挙げてみましょう。」

東海岸

新浪剛史が好き

・仕事着はスーツ

・大企業で出世に関心がある

・PCはWindows

西海岸

ホリエモンが好き

・仕事着はTシャツ

・起業に関心がある

・PCはMac

「東京が西海岸と東海岸で分断している限り、日本のビジネス界は面白くならないなと強く感じるわけです。私たちはいま西に強くて東に弱いんですが、東に進出することによって二者間のバイカルチャーになっていく。特にフォワードといいますか、各エリアで攻めている人たちをどんどん繋げていきたいと思っています。」

 

「攻めの人たちを繋げることで、それぞれのイノベーションが東にも西にも還流して大きくなる。そういった触媒になることが、NewsPicksのメディアとしての役割なんじゃないかと思っています。そういう意味でも、来年NewsPicksでは東海岸の方にも読んでいただけるようなコンテンツを増やしていきますし、マーケティング戦略においても東海岸の方々にどうリーチできるかを注力していきたいです。」

 

佐々木さんが「東海岸の方にも読んでいただけるようなコンテンツを増やしていきます」と言っている点でも分かるように、NewsPicksは西海岸の人中心に読まれているメディアです。東海岸の人にも、イノベーションを起こしたいという意図が私は読み取れます。

 

NewsPicksが解決できるのか

だけど、わたしは現状ままで、NewsPicksがイノベーションを起こすことができるかは疑問があります。わたしの主観ですが、NewsPicksは「保守的な価値観」を卑下しているように見えるときがある。でも、特定の人や価値観を悪く言い、メディアが変化を押し付けることが、世の中を変えられるようには思えない。

以前、実業家のはやかわ五味さんが、NewsPicksに校正チェックなく、自身のインタビューを掲載されたと話したことが話題になりました。

togetter.com

 

「おじさん目線いらないとは一言もいってない」とはやかわさんはTwitterで話していました。既存の価値観を“おじさん”とし、悪く言う意図があるように見えました。

わたしの主観ですが、既存の価値観を見下しているように見える記事が、ほかにも紹介されている。以下はNewsPicks編集部が書いたものではないですが、NewsPicksで配信されていたニュースです。

newspicks.com

 

News Picksなどでいかにも切れ者ふうに、時にやや地に足がついていないようなコメントをしているのが意識高い系だとすると、ヤフコメで大暴れする親父、ヤフコメおじさんは意識低い系の代表だ。意識高い系も痛いが、意識低い系も問題だ。

 

結論から言うと「メディアリテラシーを身に着けよう」「具体的に考え、表現することにこだわろう」「人生を充実させよう」この3つに尽きる。要するに普段の生活習慣がモノを言う。

 メディアリテラシーについてだが、特にYahoo!ニュースに載った記事の配信元がどこなのか、誰が書いたのかを確認しよう。関連する他の記事と読み比べるとより良いだろう。

 ヤフコメおじさんの残念なことは、ひたすら感情論で書き散らかすことだ。ヤフコメ欄での賛同を狙うために、ウケをねらった表現はうまいのだが。

  

コラムの内容は、引用元をしらべて、よく考えて、ネット上のコメントを書きましょうという、同意できる意見なのですが、「意識低い系おじさん」「ヤフコメおじさん」という書き方に私は違和感を覚えた。ラべリングして悪者を作っているように見えました。

この記事では、「News Picksなどでいかにも切れ者ふうに、時にやや地に足がついていないようなコメントをしているのが意識高い系」と話しているけど、このコラムの言葉借りるなら、「意識低い系おじさん」を馬鹿にする「意識高い系おじさん」ように見えます。どちらにもわたしは共感できなかった。

 

◆見習うべきはホリエモンの「キモさ」

前述で、西海岸の人の特色として、「ホリエモンが好き」と上がっていました。堀江さんは既存概念を無視し、自由で、好きなことをやっているように映りますが、わたしは堀江貴文さんの一番の魅力は「オタクであること」だと思っています。堀江さんの著書『すべての教育は「洗脳」である~21世紀の脱・学校論~ (光文社新書)』でなにかに没頭することの重要性を話しています。

 

自分で行き先を決め、アクセルを踏む生き方のためには、「学び」が不可欠だ。僕がこう言ったら、意外に思われるだろうか。学校を不要だと言い切り、学校教育のあり方を否定し続けている人間が突然何を言うのか、と驚かれるかもしれない。ただし、はじめに一つ確認しておきたいことがある。「学び」という言葉の定義についてである。僕が言う「学び」とは、没頭のことだ。

脇目もふらずに没頭し、がむしゃらに取り組める体験のすべてが「学び」だと僕は思っている。だから、没頭する対象は数学や英語、料理だろうと、ダンスだろうと何でもあり得る。すなわち、その人が心から没頭できていれば、対象は何であれ、僕はそれを「学び」ととらえる。「学び」と聞いたとき、多くの人は、いわゆる「お勉強」を想像するだろう。それはつまり、学校教育に準じたものということでもある。たとえば、数学や物理といったおなじみの科目や、散々暗記させられた公式、年号の数々。映像として浮かぶのは、教卓や黒板、教科書、ノートなど、「お勉強」に必要な小道具たちだ。こうした「お勉強」と「学び」とを、僕は明確に違うものとしてとらえている。

 

先日、NewsPicks で配信された記事で、SHOW ROOM社長の前田さんは堀江さんのなにかに没頭する姿勢を評価しています(とても面白い記事でした)。

newspicks.com

たとえば、堀江さん。彼が和牛やロケットについてひとたび熱くしゃべりはじめたら、もう止まりません。こちらが羽交締めにして止めても、彼の口は止まらないでしょう(笑)。ひとつのことにそれだけの熱量を注ぎ込める人が、多くの人の共感を集め、お金も集める時代になる。

 

ブロガーの三沢文也さんは本気でビジネスをしたい女性に対して、まわりの男性に恋愛対象として見られず同僚として接してもらうために、専門分野にストイックに取り組み「キモくなろう」と語っている。

tm2501.com

 

 最近、千葉雅也さんという若手の哲学者が「勉強の哲学」という本を出した。その千葉さんが自身のツイートで紹介するほどよくできた要約をなんと僕の友人がつぶやいている。

  

「勉強の哲学」自分なりに要約すると、

・勉強するとキモオタ的になるが、これは言葉のアップデートに不可欠

・その上でキモさを削るには喋りがキモくなる原因を知る必要がある

・「別の」勉強を続けることで「ある」キモさは軽減される

って感じなので、どう考えてもオタクが読むべき。

 

これはお仕事をしててもそう。仕事に対してストイックになればなるほど、女らしさとは程遠い図太くて、ブスで、論理的になる。

 

そういうキモさは、女性としての金融商品的な価値とは対極にあるかもしれないけど…対極だからこそ、「プロの女」であることを求めて近寄ってくる人は激減するでしょう。

それでも「プロの女」として扱ってくれるなら、その人はむしろ論理的で、図太くてストイックな女性が好みということになるが…その場合は「誰でもいい」ってわけではないと思うから、良しとしてもいいと思うけどね…。

 

たぶん、これはおじさんにも当てはまっていて、下心ではなく、純粋に敬意をもって接してもらうためには、好きな物を見つけてキモくなるのがよいよなと思う。

逆にキモくいられる環境であるならば、あとはなんでもいい。背広を着る服装指定があっても、出社時間が決まっていても、ヤフコメにキモい事書いていても、おじさん目線でもなんでもいい。キモくなにを極められればあとはなんでもいい。自分の好きなものを見つけて夢中にキモくなれるおじさんは素敵です。なにかにキモくなれないおじさんに未来はない。