オナホ売りOLの平日

大人のおもちゃメーカーで働くOLのブログ。

女性向けバイブが売れない理由

某店舗の担当者さんと雑談したとき「女性向けのグッズは動きにくいんですよね」みたいな話になりました。たしかに……。「女性が開発した」って商品はたまに見ますが、それが爆発的にヒットしたとは聞きません。それよりも「初心者向け」とか「パワフルピストン」とか実用的なコピーが書かれたモノが動いている印象。
DVD、グッズにかかわらず、「女性目線」とか「女性自身の性の喜び」とか「女性」にフォーカスした商品はできてはいるけど、定番化している印象はありません。
 

◆多数派女性はセックスにお金を払わない

一般女性はセックスのプライオリティは高くありません。セックスの回数は交際相手・結婚相手がいる20代女性でも平均月3.9。
 
違うデータですが、20代女性の3人に1人は恋人がいるので、3分の1、約3割は平均月3.9回セックスをしていることになります。約7割の人は3.9回のセックスをしていない可能性が高い。
 
20代女性の約7割は月3回以下のセックスしかしていないと予想されます。では、セックスをしていない層はセックスしたいと思っているのでしょうか?前述のサガミゴムの調査では、恋人・結婚相手がいてセックスが少ないと答えた20代女性の64.2%が「もっとセックスしたいと思わない」と回答さらに、セックスする相手の居ない人も約4割が「セックスしたいと思わない」といいます。
20代女性の3分の2の人は恋人がおらず、そのうちの4割はそもそもセックスをしたいと思っていません。
パートナーがいてセックスしている3割の人でもセックスの回数は週1回程度。セックスしていない人も、セックスの回数を増やしたいと思っていない。20代女性のセックスをしたいという願望が薄い。

◆「実は女はエロい」はおじさんの妄想

前述のサガミゴムの調査では「セックスをしたくない理由」を聞いています。20代男性は「めんどくさい」、「疲れている」が多いのに対して、20代女性は「性欲がない」が一番多い。仕事や趣味など他のことが忙しくセックスしないのではなく、そもそも性欲がない。セックスが魅力的ではないのです。

普段は貞淑にしているけど、実はモンモンとしている……なんていうのはエロマンガや官能小説の定番ですが、実際は、そもそも性欲自体なくて悶々としてなかったりするのです。

◆一部のマイノリティのみが「女性の性」を語る

 では、なぜ、「女性の性」をターゲットにした商品がでてくるのか、それは、性に興味のある一部の女性のみが性を語るから。性に興味のない人、性欲のない人は、そもそも、性に対して意見を述べません。物言わぬ多数派です。
 
しかし、ここで、作り手側は、エロ漫画を読むスケベおじさんよろしく、内包する欲求があるのに、表に出さないだけと予測してしまいます。だから、「女性でもセックスを語っていい」「女性でも性にオープンでいい」と宣伝コピーをつけるのです。
しかし、これは作り手と受けてのミスマッチ。「隠しているから」「恥ずかしいから」とかではなく、性に興味がなく、性欲がないからアダルトグッズを買わず、セックスをしない。どんなに宣伝をしても、そもそも購買欲求がないのであれば商品は売れません。大半の女性はセックスにお金を払わない。
 

◆唯一の例外が「シルクラボ

「女性の性」をターゲットにした商品は売れないという話をしましたが唯一の例外があるとしたら、ソフトオンデマンドの制作しているアダルトビデオシルクラボがあると思います。
恋愛ドラマのような内容のアダルトビデオを販売。さらに、出演しているAV男優でファンイベントを行い、アイドルのようにプロモーションしました。
 
女性はセックスにはお金を払いませんが、疑似恋愛にはお金を払います。ジャニーズの男性アイドルや2.5次元舞台の俳優、乙女ゲームに夢小説、女性向け疑似恋愛市場にはたくさんのコンテンツがあり盛んな産業です。そのなかの一つとして、AV男優との疑似恋愛が消費者に支持されたのです。
 
膣トレでオーガズムを開発したり、気持ちいいバイブを使ったりするのにはお金を払わないけれど、好きな男性にはいくらでもお金を払う。それをうまく商売にしたのが「シルクラボ」でした。

◆気持ちいセックスより、好きな人とのセックスがしたい

「女同士だから、私の使ったバイブはすべての女の子全員気持ちいいはず」というような、極端なインフルエンサーによる女性目線はセックス業界にはウケません。
 
好きな人と二人でやるセックスには興味があっても、男性が置いてきぼりになっている自分だけが気持ちいいセックスに興味がない。女性の性の解放より、好きな人と楽しいセックスを提唱する企業が必要ですね。