オナホ売りOLの平日

大人のおもちゃメーカーで働くOLのブログ。

ハヤカワ五味が炎上して収束した話

「ハヤカワ五味ちゃんが生理用品を入れる袋を断ろうってネットで言ったら、誹謗中傷を受けて、ツイッターも更新できなくなって、可哀相なんだよね」

ネット界隈の炎上話を肴にお酒を飲むことはたまにあって、その日も知り合いとハヤカワ五味ちゃんが炎上したって話をした。わたしはハヤカワ五味ちゃんのことを若い女性の起業家さんぐらいの認識しかなかったので、その炎上の件は知らなかった。一緒にお酒を飲んだ彼は可哀相だと言ったけど、彼の話を聞く限りでは、批判されそうな話だなとは思った。

◆#NoBagForMeが押しつける価値観

家に帰る途中、ハヤカワ五味ちゃんの生理用品の取り組みを調べてみた。ユニ・チャームと共同のプロジェクトで、生理用品を隠す袋を断ろうというキャンペーンらしい。ニュースサイト「ハフポスト」にこのプロジェクトの記事がでていた。

生理用品を隠すための紙袋やビニール袋はいりませんーー。その選択肢を後押しするプロジェクト「#NoBagForMe」を、生理用ナプキンなどを扱う大手メーカー、ユニ・チャームが始める。

 

プロジェクト発足の背景について、ユニ・チャームの広報担当者は「世の中には、『生理は恥ずかしいもの、隠すべきもの』という価値観がある。それを象徴することの一つが紙袋だと考えた」と説明。情報発信や新たな商品開発によって、その価値観をアップデートすることが目的という。「強制や押し付けではなく、『紙袋はいらない』という”選択肢”を後押ししたいと思います」とも強調した。

www.huffingtonpost.jp

このニュース記事を読んだだけでは、プロジェクトのすべては分からない。だけど、わたし個人の意見としては、賛成できない内容だと思った。「強制や押し付けではなく、『紙袋はいらない』という”選択肢”を後押ししたい」と書いてあるけれど、「紙袋をいらないと言おう」というテーマを掲げ、それに賛同する人を集め、紙袋をもらわない、生理をオープンにするという価値観を肯定的に話したら、価値観を押し付けられているように感じてしまうだろうな。まだ、「プロジェクトが始まります」という告知記事しかでてなかったので、詳細は分からないけど、なんとなく、抵抗感を感じる人がいるだろうことは予想できた。

わたし個人としても、生理をわざわざオープンに話したいと思わないし、誰かが生理の話をしているのを聞くのもあまり好きではない。他の人のプライベートな部分を見たくないと思う。体の悩みを相談する機関は必要だと思うけれど、公にする必要はあるのかなと思ってしまった。そんな意図はないのかもしれないけど、生理をオープンにしたくない人の意見を排除してしまっているように見えた。

 

さらに、ハヤカワ五味ちゃんは、「なんでツイッターを休んだか」とnoteに投稿する。

note.mu

ただ、あまりにも内容を無視したハヤカワ個人の人格否定的なツイートが多すぎたので、流石に「いやそれは関係ないやろ」とムカついてしまい、途中ツイート内容が偏りすぎた表現になってしまったので、その件に関してはTLの皆まさにご迷惑おかけし申し訳ないです。

まだ、批判されている最中にこれをみたので、彼女が感情的にこの状況を辛いということで、生理の話題は炎上する、生理の話題は批判されるというイメージが付くだろうな。生理がよりタブーになって彼女の考えと逆行してしまいそうだなとわたしは感じた。

 

◆「生理用品は買いにくい」を解消する

最初は、わたし個人的には「なんとなく賛同できないな」と思っていたんだけど、ハヤカワ五味ちゃんが6月14日に投稿した「私は生理用品が作れなかった。 #NoBagForMe」というnoteの記事でこのプロジェクトに関して投稿するのをみてちょっと変わった。彼女は生理用品を作ろうと思った経緯に対して、「生理用品を買いにくい」という悩みを女性が抱えていることを書いていました。

 

周りのスタッフや友人にもヒアリングしたところ「生理用品を買おうとレジに向かう途中で、通りすがりのおじさんに卑猥だと罵声を浴びせられた」といった、到底理解しがたい辛い体験をした女性もいました。

note.mu

 

ああ、なるほど、たしかに、それなら分かる。生理をオープンにしたいなんて思わないけれど、生理用品を買う恥ずかしさ、後ろめたさは理解できる。そして、それを解決するために、シンプルなデザインの従来の生理用品とは異なる生理用品をつくろうと言われれば納得できる。

最初にあげた 「#NoBagForMe」の紹介記事も、ハヤカワ五味ちゃんが書いた「私は生理用品が作れなかった。 #NoBagForMe」というnoteも伝えたい根本は一緒で「生理の恥ずかしさをなくそう」というテーマなのだと思う。

だけど、最初にでた「#NoBagForMe」の告知が、「生理を恥ずかしくないものと思うようにしよう」「生理用品の袋を断ろう」という「価値観の押しつけ」のように見える内容であるのに対して、14日に書いた「私は生理用品が作れなかった。 #NoBagForMe」は、生理用品を買う恥ずかしさという「不便を解消したい」という内容。相手に行動を求めるのか、自ら動くのかの違い。

同じ意見であっても、価値観を押し付けられると抵抗感がある。「それはあなたの考えでしょ」と言いたくなる。だけど、不満や不便を解決できるように動きます、と言われれば抵抗感なく受け入れられる。どう伝えるか、表現するか、それだけで、印象が変わるんだな。何を伝えるかも大切だけど、どう伝えるかはもっと大切かもしれないな。