オナホ売りOLの平日

大人のおもちゃメーカーで働くOLのブログ。

AV制作者は犯罪者じゃない 

最近、AVの販売停止に関するニュースを読みました。

www.oricon.co.jp

 

「AV販売停止、8カ月で「1635本」…申請理由「出演強要」は6人、顔バレが最多」

同機構によると、約8カ月間で、3925作品(136人)の販売停止申請があり、最終判断にまで至ったのが、2770本(111人)となっている。作品によって対応が異なっており、販売停止は1635本、販売停止はしないが、女優名を削除する対応は777本、合意書で停止は46本、販売継続は167本――などとなった。(中略)申請者136人のうちわけは、女性130人、男性6人。申請理由(複数回答可)は、親・親類・友人への「顔バレ」が最も多く114人、ついで「社会からのバッシングへの不安」が81人、「婚約・結婚」が80人、「就職・転職」が57人となった。「強要・意に反した出演」をあげたのは6人だった。

 

強要・意に反した出演する人がいたことは、対策を考えなくてはいけないことです。だけど、停止を要請する人の大半がそういった理由ではなかったことは、ほっとしました。わたしが業界に入ったのは2015年です。そのせいか、「強要・意に反した出演」というニュースや記事を見聞きしても、どうしても、「私の知っているAV業界と違う」と思ってしまいます。もちろん、10年前、20年前の話はわからないし、人の話を聞く限りでは、あったのかもしれないなとも思う。だけど、「今もある」と言われると、わたしの知っている実態とかけ離れているように感じてしまう。

以前、「若草プロジェクト 設立3周年シンポジウム」を見学してきたことをブログに書きました。

mochi-mochi.hateblo.jp

 

そのイベントに出たとき、こちらの団体が発行している「少女 若年女性を支援する人のためのハンドブック」という冊子を購入しました。苦しい思いをしている女の子たちの事例と同時にサポートの方法も紹介していて、誰か困っている人の話を聞いた際には、参考になる書籍です。

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そのなかの「AV相談の事例」という項目に、「ムービーがネットでストリーミングされ、妊娠したかもしれない……」という見出しで以下のような相談の事例が紹介されていました。

16歳。両親と兄と同居。いじめがあったようで、高校には今年から行ってないとのこと。街頭でスカウトされ、芸能事務所だと思って面接に行ったらその場で性的な質問ばかりされ、おかしいと思っているうちに男性に囲まれて強かんされ、動画をとられたとのことだ。その時、妊娠してしまったようで、おなかが大きくて不安だと、民間の設置した電話相談に訴えてきた。

 まず、この事例を読んで、これはAVの撮影ではないように、わたしは感じました。こういった相談があるならば、女性を強姦し、映像をとる犯罪者が存在しているのは事実としてあるのだと思います。しかし、AVの撮影風に見える性犯罪と、実際のAVの撮影を混同させているように読んでいて感じました。

この冊子には、女性を強かんしたのがどういった組織だったのかは出てきていません。もちろん、それが本当に、AVメーカーや、AVプロダクションであったならば、対策をとらなくてはいけません。しかし、わたしの知る限りでは、こういった撮影方法をしているメーカーやプロダクションは、現在、聞いたことがありません。法的に問題のある作品を販売しないよう、メーカーとしても気を付けてもいます。

 

 ◆年齢確認は必ず行う

万が一、18歳未満の撮影を行った場合、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」に該当します。そのため、撮影前には必ず、身分証を確認し、未成年ではないか、年齢を確認しています。また、出演する女優さんには、事前にNGプレイ(アナルNGなど)の確認も行っています。

 

◆撮影はすべてフィクション

わたしの会社から発売されている作品の一部には、「作品はフィクションであること」「犯罪行為の演出があるが実際に行ったら刑法処罰対象になること」がパッケージに注意書きとして記載され、本編再生前にも同様の内容の注意書きが放映されます。レイプ物や盗撮物など犯罪をまねた演出をしている作品にはこの注意書きがあります。レイプ風、痴漢風に見える作品であってもすべてそれは演出です。

 

◆審査を通した作品が販売されている

動画配信サイト「FANZA(元DMM.R18)」や大手通販サイト「Amazon.com」などで販売されているAVは、NPO法人知的財産振興協会(略称 IPPA)などの審査団体が行う審査を通過しています。明らかに、法的に問題のある作品は審査の段階でとめられています。

IPPA | 適正AVについて

 

もちろん、ここに書いた内容はわたしの知る限りのAVメーカーの姿勢です。わたしは、すべてのAVメーカーの内情を知っているわけではないので、すべてがそうだとは言い切れません。しかし、個人的には、そんな撮影してもメリットがあるのかなとも思っています。AVメーカーやプロダクションにとっても、未成年者の出演や、本人の意思を無視した撮影など、トラブルになりかねない撮影をするメリットは少ないように感じます。

 

そして、この話を読んで、怖いなと思ったのは、女の子を事務所に連れ込んで、強かんし、撮影している組織がいることで、加えて、その人たちが何者なのかが分かっていないことのように私は思いました。「おそらくAVだろう」ということで、AVの締め付けする裏側で、この犯罪者たちが活動を続ける恐れがある。小さな事例として、ひとつひとつに対処し、女の子を苦しめるものを根気強くつぶしていかないといけないよう思いました。