オナホ売りOLの平日

大人のおもちゃメーカーで働くOLのブログ。

北条かやは幸せになれない。

逃げてばかりっだった彼女が離婚した。

彼女とは大学生のときに知り合った。単発のイベントバイトかなんかだった。「芸能人になりたい」と言っていた20代前半の女の子。そのわりに、それらしいことはしない。「水着のグラビアは嫌だから、あの事務所は断った」「話はたくさん来ているけど、選んでいる」などと言っていた。

彼女はよく自分の話をする。学生時代は病弱だったことと、いじめにあったことで不登校だったこと、親がお金があるから今は一人暮らししてもらっていること、通信制の学校に通っていたこと、不登校になる前は成績優秀だったこと……

どんな話も自分を悪く言うことも、顧みることもなかった。絶え間なく続く彼女の自分語りを「ふんふん」聞きながら、彼女がいじめっ子や勉強することや、そのた色んなものと戦うことなく、ただただ現実から逃げてきたように思えた。自分を変えようと立ち向かうことなどなく。ハラを据えられない人生。


彼女とあったのは10年以上前だ。その後は、SNSや人づてで知る情報だと、彼女は地元に戻り、国立大学を出たそこそこ頭のいい年上の男性と結婚した。

わたしは、この事実を知り自分の予想が外れたように思った。色んなものから逃げる彼女が、手に入れた人並みの幸せ。逃げず、立ち向かう人でなくとも、幸せな人生を歩めてしまう事実。

だけど、わたしの考えは覆る。彼女は離婚した。子どもを抱えて、実家に戻り、アルバイトかなにかしながら、親と一緒に生活しているようだ。人づてに聞く話だと、慰謝料やら、養育費やらはもらっていない。それを聞いて、わたし自身の推測が当たったように思えた。ああ、やっぱり。

慰謝料も養育費もない。またぎぎした話だと、大きな問題はなかったみたいだ。それでも、彼女はめんどくさい生活に耐えられなかった。

誰かと一緒に暮らして、一緒に人生をきめていくのはとてもめんどくさい。日々、自分の不満を、相手が不快に思わないように伝え、将来の憂鬱な事柄を話あわなくてはいけない。それはとてもめんどくさい。そのめんどくささに耐えられなくなって、逃げたのだろうな、きっと。


彼女の近状をきき、ライターの北条かや女史を思い出す。数々の問題から彼女は逃げる。「こじらせ女子」という言葉をつかった書籍を発売し雨宮まみ氏とトラブルになったとき、彼女は雨宮氏に反論することなく、「死んでお詫びをする」「悲しい」といった言葉を繰り返した。炎上したうえで「それでなにが悪いの?」と開き直り、戦うことはない。図々しい書き手にならない。

もちろん、北条女史はライターなので、商売としてのそのキャラクターを批判はしない。ライターとして仕事をするために逃げるキャラクターを演出しているのだろう。自分自身にブランド価値をつけて、ファンも増やし、商品を売っているなら賢い書き手だ。どんな商売だって、売れることが正義。そのために、自分の見せ方を工夫する彼女は、読者に見せない努力をしている。

ただ、彼女のような「逃げ」の姿勢を、無自覚にしている人がいたとしたら、きっと幸せにはなれない。やりたくないなら逃げてもいい。だけど、やりたいことのためのやりたくないことは耐えなきゃいけない。踏ん張らないといけない。夢を叶えるためには忍耐が必要だ。めんどくさいことから逃げれば、逃げるほど、自分のなりたい幸せは遠のく。