オナホ売りOLの平日

大人のおもちゃメーカーで働くOLのブログ。

尊敬への配慮

会社の同僚と、競合他社の営業の方と、私と飲み行ったことがあります。競合他社の方は、私の同僚の元部下だった人で、一緒に働いていた時代はすごくお世話になったといっていました。昔話をしながら褒めていました。

そのとき、お酒が入っていたこともあり、わたしは同僚のプライベートな問題に関して、失礼な質問をしてしまった。それは、私がよくなかったし、反省もしています。たぶん、そういったことがきっかけで、私に対して嫌だなと思ったのかもしれません。その席で、競合の方から言われたことで少しだけ辛い気持ちになりました。

「もし、お店の人に連絡先教えてとか、口説かれたらどうするの」

「断ります、会社からダメと言われているといいますよ」

「それでも来たらどうするの」

「そしたら、担当変えてもらいます」

「自分の都合の問題で会社に担当変えてもらうの?おかしくない?」

 

 そのときは、それで終わりました。競合の方の尊敬する上司だった人に、失礼なことを聞いてしまったわたしを、嫌だなと思ったのかもしれません。その後、その場にいた他の人から、同僚に言ったことに対して、そういったことは言わないほうがいいと言われ、反省しました。

 

◆大切な営業先を悪く言われた

わたしが、前述の会話を辛いなと思ったのは、わたしの営業先のことを悪く言っているように思ったのもあります。わたしが営業している担当者に、「商品を買えば、性的な関係を持てる」と考えている人は一人もいないと、思っています。ちゃんと商品の良さを伝えて、分かってもらって、買ってもらっていると信用しています。実際、「性的な関係をもたなければ、商品を買わない」なんて言われたことは、一度もありません。営業先の人は、自分の下心ではなくて、お店の売り上げをあげたい、良い商品を仕入れたい、と思って私の話を聞いてくれています。わたしも、完璧ではないかもしれませんが、商品のこと、業界のこと、勉強しています。営業先も、私も、仕事として真剣にやっています。だから、前述のようなことを、わたしと同じように営業している方に言われたのは辛かった。もしも、ご自身の営業先に対して、女性営業がくれば下心から発注していると思っているのならば、とても悲しいことのように思いました。

 

◆嫌なら嫌と伝える

そして、その場では、「担当変えてもらいます」って言ったけど、もし万が一、困った要求をされたら、法的手段にでるように思います。実際、私の上司は、セクハラまがいなことをされたら、「次やったら警察よびます」と言っていいと言っています。営業先で困った要求をされたら、そういうことはやめてください、やめなければ他の手段にでます、と伝え、それでも来るならきっと、然るべき機関に相談するでしょう。それに対して、おかしいと私の上司は言わないと思っています。

mochi-mochi.hateblo.jp

 

◆尊敬する人を尊敬してほしい気持ち

だけど、一方で、私も同僚や、競合の方に、配慮のたりないことをしたなと思っています。弊社はよくも悪くも放任だから、なにも分からない時期は、店舗の人に本当に色々教えてもらい、上司のように思っている人もたくさんいます。その方にとっては、私の同僚がそういった存在だったのでしょう。尊敬する人を蔑ろにされた。お互いがお互いへの配慮が必要ですよね、きっと。

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安倍晋三の御用記者、青山和弘の描くかっこ悪い総理大臣

山口敬之さんの「総理」という本はとても面白い。山口敬之さんは、彼が女性を酒に酔わせ暴行したという事件で有名となった。彼の行ったレイプ行為は許されないことだと私は思う。お酒で意識を失い、自分の意志を表明できない女性に一方的に性的暴行することは絶対によくない。しかし、彼の犯した罪が卑劣であることと、彼の書いたものが読み応えのあることは別だ。彼の書いた作品は面白かった。

総理 (幻冬舎文庫)

総理 (幻冬舎文庫)

 

 

◆かっこよすぎる安倍晋三麻生太郎

「総理」は安倍晋三麻生太郎といった政治家の見えない部分をかいまみえるノンフィクション。この本のなかで、安倍晋三麻生太郎といった登場人物たちはすべてかっこいい。器用に立ち回りながらも、義理人情に厚くい。まるでハードボイル小説の登場人物のようだ。

2007年、参議院選37議席という惨敗の結果を受け、政局が大きく揺らいだ。外務大臣としてフィリピンを訪問中の麻生太郎を訪れた著作は、麻生から、内閣の人事案を預かってほしいと頼まれる。

麻生のペンはよどみなく、すらすらと動いた。私は、与党の食幹事長に内定してる人物が総理に人事案を認めるという、政治記者としては極めて特異な状況に遭遇し、しばらくの間沈黙を守っていたが、麻生の筆の運びがあまりに滑らかなので、ついに口を挟んだ。

「筆に全く迷いがありませんね」

「簡単なんだよ。親分を絶対に裏切らないやつだけを選ぶ。そうでなければ、ねじれと言う難局を乗り切れるはずはない。ここに書いた名前は、ボスを裏切らない奴ばかりだ。最初の組閣で派閥の論理に妥協してしまったことを、安倍さんは今とても後悔しているはずだ」

「裏切りと内輪もめに苦しめられましたからね」

「人事というのは、絶対不可侵の総理の専権事項だ。これは俺なりの案だが、安倍さんの選択肢を狭めたくはない。明日東京に帰ったら『絶対に裏切らないと言う観点から麻生なりに考えた布陣です。あくまでご参考』と言って安倍さんのところに持っていけ」

 このほかにも、安倍晋三が、被災地で、親をなくしながらも健気に生きる少女に出会い、彼女によりそい、所信表明演説で彼女のことを語ったシーンは鳥肌がった。安倍晋三麻生太郎、父や祖父に偉大な政治家をもち、自身も首相という重圧を経験したもの同士の友情や思いやりは見ていて気分が高揚する。だけど、一方で、ちょっとかっこよく書きすぎ何じゃないかなとも思ってしまう。

ノンフィクション小説として読むならば、とても読み応えがあるけれど、ルポにしては少し偏っているように思える。現役の政治家に関して、こんなによく書いていると、宣伝本かなとも疑ってしまう。それくらい、この本の中の安倍晋三麻生太郎はかっこいい。

同様のことを指摘するメディアもある。ニュースサイトリテラでは、山口さんの書いた「総理」を気持ち悪いほどの安倍礼賛本と語っていた。たしかに、イデオロギーの違う人からみたら気持ち悪く写るかもしれない。

lite-ra.com

 ◆少し頼りない安倍晋三

ちなみに、同じニュースサイトに「政権の腹話術人形」と揶揄された記者がいる。青山和弘さんだ。政権擁護だと批判された彼の本の紹介が、政敵である枝野幸夫氏のツィッターに流れた。枝野幸男はこの本を「多くの人に読んでもらいたい」と発言している。

枝野幸男は、文春オンラインに以下のように本の感想を書いている。

bunshun.jp

本書にある私の「オフレコ」での青山氏に対する発言も、すべてが「本音」という訳ではない。おそらく安倍総理についてもそうであろう。どんなに信頼関係があっても、腹の内をすべてさらけ出すようでは政治的リーダーとして務まらない。

しかし、プロ中のプロと言える青山氏の取材力と人間力で、日々の報道では絶対に伝わらない背景や経緯の真相に、しかも与野党双方について、限界まで迫った画期的で価値の高い内容となっている。

 

青山さんの著書「恩讐と迷走の日本政治-記者だけが知る永田町の肉声ドキュメント-」は安倍晋三と枝野幸夫という与野党トップを取材した本だ。山口さんの「総理」かっこよくて、ハードボイルドな総理を書いた本であるならば、青山さんの「恩讐と迷走の日本政治」はちょっとダメだけだけど、失敗しながらがんばる可愛い政治家たちを書いた本だと思う。

 

著者がテレビ番組で、加計学園の問題を解説した直後、安倍晋三から電話がかかってきたエピソードがある。この日、著者は、加計理事長と安部晋三があまりに仲良く疑われるのも納得すると語った。

これで24分間のコーナーは終わった。ワイドショーでの解説はいつも緊張し強いられる。的確な言葉を咄嗟に選ばなければならないのもそうだが、他のコメンテーターの認識が間違っていたり、あまりに極端な意見を言った時に修正する役割も私には求められるからだ。

そんな緊張から解放されて、取材のため急いで国家に向かっていたその時、私の携帯が鳴った。安倍からだった。

「あー、もしもし安倍です」

「おはようございます。どうしましたか」

「『スッキリ』見てたよ」

安倍が私の中継や解説を見て連絡してきたことは、初めての事だった。何か大きな間違いでもあったのか。私は身構えた。

加計学園の問題の件で解説しました」

獣医学部の設置は、安倍政権で急にとんとん拍子に決まったんじゃなくて民主党政権でも『(2011年度中を目処に)速やかに検討』に格上げされているんだよ。そこも伝えてくれないと不公平じゃないか」

「ただ決定はしていませんよね」

「そうだけど、民主党時代から前向きに検討しているんだよ。獣医学部を新設する事は鳥インフルエンザとか狂牛病とか新たな時代の要請もある。そういうところにも触れてもらっないとね、解説なんだからさ。私は青山さんがいろんな意見を言うのは全然構わないんだよ。構わないんだけど、事実関係は公平に紹介してもらいたいんだよな」

著者は今までこのように安倍晋三が報道に対して意見を言ったことがなかったと、驚きを表した。それだけ、この緊迫した状況に焦っているんだ。だけど、この落ち着きなくいらだっている様子は、山口さんの本にはない安倍晋三像だった。

ほかにも、安倍晋三枝野幸男のダメだけど、人間らしい応援したくなる一面を紹介している。以前、ブログで、ヒーローには「助けてくれるヒーロー」と「助けたいヒーロー」がいると書いたけれど、山口さんの書く安倍晋三は前者で、青山さんの書く安倍晋三は後者なんだ。

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青山さんは本の中で安倍晋三をこう、表している。

 私は2015年10月に出版した拙著の中で、安倍の姿勢について以下のように指摘している。「首相と言う立場にある政治家として、強引だとか感情的だと捉えられては、マイナスに働いてしまう。また無意味な争いや失言につながることがないよう慎重にコントロールしていくことが必要だろう」

安倍さんとホンネで話した700時間

安倍さんとホンネで話した700時間

 

 

安倍晋三枝野幸男も完璧じゃない

感情的になる部分も多い指導者。それでも、四苦八苦しながら戦っている。本の中には安倍晋三枝野幸男が不器用ながらに、有権者の心を動かすよう奮闘する様を描いている。政治記者と政治家以外の関係でも言えることだけど、自分の尊敬する人や憧れている人の悪い面は見たくないし、欠点に目をつぶって妄信してしまう部分はある。青山さんは、安倍晋三枝野幸男に寄り添いながらも、客観視する視点を失っていない。善悪を振り分ける目があるんだろうな。

もちろん、政権の腹話術人形のいうこと、そうやって政権人気をとる作戦かもしれない。だけど、それでも、その作戦にはまってしまってもいいかもしれないなとも思えた。

ゴウヒデキさんの「モテないラジオ」に出演したよ

みんな!告知色々あるから書くよ。もちこ氏に興味のある人だけみてね!


◆モテないラジオ

先日、ロフトプラスワンで開催された「エロポリー」でご一緒した構成作家のゴウヒデキさんが司会を務めるラジオ「モテないラジオ」に呼んでもらったよ!

tocana.jp

モテないラジオ 

 

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この日、ゴウさんは体調が悪くお休みだったのですが、司会の角由紀子さん(ウェブメディア「TOCANA」の編集長)と楽しくお話しましたよ!慣れないラジオだったけど、角さんのお話が上手で助けられました。

tocana.jp

放送コードというものがあるようで、言っちゃいけない言葉が多く難しかった。「エロ本」と言ったときに、角さんが「あ」って言ったのが申し訳なかった。放送されるのかな?放送は、以下のコミュニケティFMで6月18~24日の間で放送されます!

その地域に住んでいない方も各ラジオ局のサイトから聴けるようです!みんな聴いてね!

 

ワンフェス

7月29日、幕張メッセで開催されるワンフェスいくよ!去年と一緒でぴゅあコレさんのお手伝いで行きます!ぴゅあコレさんのブースで、またコスプレして販売員する予定です!

ワンダーフェスティバル|Wonder Festival

 

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◆ロサンゼルスアニメエキスポ

ロサンゼルスで開催されるアニメエキスポに販売員でいくよ!コスプレをする予定だよ!もしアメリカに行く方は見に来てね!This is Rock!!!

AX 2018 - Anime Expo 2018 - 2018年07月 - 世界の見本市・展示会 - ジェトロ

 


告知色々したけど、みんなよろしくお願いしますね!

愚行権とセックス

ツィッターを見ていたら、テンガの広報の方のツィートを見つけました。 

 わたし、個人の意見ですが、「僕のもの」という発言は「クソ発言」というほど悪い発言ではないように感じています。「僕のもの」という言葉が、相手を傷つける言葉かといったら、傷つく人もいるけど、そうでない人もいるし、もしかしたら、嬉しい人もいると思う。人によってとらえ方の変わる発言。

もちろん、この言葉を発した背景は分からないし、パートナーの方との関係性も分からない。所有されるようなセックスは嫌い、と事前に伝えた上でこのような発言をしたなら、人の話聞いてないし、人の嫌がることをする酷いパートナーだなとも思うけど、状況を問わずこの発言自体を「クソ」といっていたなら、違う気がするな。

どんなものに性的興奮を覚えるかはその人の自由です。所有欲を満たすことで性的興奮を覚えたとしてもいい。そう言った行為や発言が個人として嫌いだというのと、そういった行為はマナー違反だというのは違う。

 

◆映画「娼年」から見える性の解放

女性やマイノリティーの人たちにとって、性の解放ってすすんでいるように思う。色んな価値観を主張する人がでてきている。

先日「娼年」という映画を観た。さまざまな性癖を持つ女性が、松坂桃李さん演じる“娼年”を通じて欲求を満たしていく話。放尿を見てもらうことで興奮する女性や、若い男性とセックスをする高齢の女性、夫の前で別の男性とセックスをする女性……さまざまなやり取りがあった。

この映画のように、女性の多様な性の好みが受け入れられるようになるのは素晴らしい。そして、それは男性に置き換えたときも受け入れられるような世界が良いように思う。たとえ、その好みが、女性に保守的な女性性を求める物であっても、それを世間が「ダメな物」というのは違う気がするな。そういった男性とセックスしたくない女性は、『そういった性癖の人もいるけど、私は、そういった人とセックスはできない』、と発信したらいいんじゃないかな。「自分は好きでない」と「よくない物」を混同してしまうのは心地が悪い。

お互いが、自分と違う好みや考えを受け入れながら、自分の好みや考えを伝えあう世の中が生きやすいな。自分と相手の好みが違ったとき、「わたしとあなたは違うけど、そういう考えの人もいるんだね」と認識すればいい。自分も相手も間違ってないよね。

 

セックスの有無にかかわず言えるとことだと思うけど、だれかと関係性を続けたいのであれば、嫌なことを、きちんと「嫌」と伝えて、お互いの嫌でない部分を探りながら、関係性をチューニングするしかないかなと思います。相手の全てを理解し同意できる関係は、恋人でも、夫婦でも、親子でも、どんな間柄でもきっと難しいから。ちょうどいい部分を探るほかないかなと思う。

 

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 以前、ブログにも書いたけど、自分の意見をきちんと伝えるということは、人間関係を築く上で必要だと思う。それが、伝えにくいことであっても、お互い意思表示し合わないと、分かり合うのは難しい。察するって難しいよ。

 

◆「ロリコンだから悪い」という押し付け

わたしは、AV女優を幼くみせる、所謂「ロリ系」と言われるAVを営業しています。だけど、決して、善悪の判別のつかない18歳未満の少女たちとのセックスを肯定はしません。児童ポルノのような形で、幼い子供たちが性的に消費されるのは、絶対悪です。なくならなければならない。しかし、幼い女の子を好きという男性が悪いわけでない。少女を傷つけることが罪であって、少女を好きなことは罪でない。性的な願望を理性でとめようとせず、人を傷つけてしまうことが罪です。

 

 

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だから、そこを混同させ、特定の好みを罪にしてしまったらとっても生きにくくなるよなと思う。人には愚かである権利「愚行権」がある、と作家の佐藤優さんの本に書かれていました。それがたとえ、他人から見て「愚か」に見えたとしても、好きなものを好きで居続ける権利がある。わたしも、愚かな部分はたくさんあるし、だから人の愚かさを許容したいな。愚かな人間として楽しく生きていきましょうよ。

 

 

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致知出版社に落ちたこと

「不採用の理由ですが、研究内容が、会社の方針と合わないからということです」。

新卒での就職活動中、就職エージェント経由で致知出版を受験したとき、アダルトビデオを卒論のテーマにしているということで不採用になりました。エージェントの担当者に、事務所の小さなブースに呼ばれて、不採用の理由を聞いたように思います。 研究内容を理由に不採用になったのは初めてでした。

わたしは大学の卒業論文のテーマをアダルトビデオのことにしていました。丁度、エロ本のライターもしていた時期だったので、興味もあったし、ほかの分野よりは知っていた。それ以上の理由は、テーマ選びにはなかった。ちょっと、この子、珍しいな、人と違うって思われたいな、ぐらいは思っていたかもしれないけど、大それた決意やイデオロギーを持って「アダルトビデオを研究しよう」なんて思ってなかった。だから、大学指定の履歴書の端っこの「大学での専攻」という、小さな欄を理由に不採用になるなんて思わなかった。 

エージェントが私に面と向かってそれを伝えた意図はわかりません。出版社の採用担当者が、ほかの理由を言った後に、ぽっろっと言った「研究テーマが合わなそうですね」を大げさにとらえたのかもしれません。企業受けをよくして早く内定をもらうために、「アダルトビデオの研究」の記載を変えてほしかったのかもしれません。出版社の採用担当の方との直接のやり取りはなかったので、本当のところは私にもわかりません。

背景にある意図はわかりませんが、わたしは、「アダルトビデオを卒論のテーマにしている」ということで不採用になったのは初めてだったので、少しショックを受けました。だけど、どこかで、納得もしていて、「誰から見ても健全な物ではないからね」「嫌な人もいる分野だよね」、とも思ってました。

 

その後も、専攻テーマの欄に「アダルトビデオ」と書いた履歴書をもって就活を続けて、求人広告を作る広告代理店にバイトで採用されました。働くことになる会社の募集要項には、「自分の作品を持参」と書かれていました。エロ本の記事の切り抜きを持参したことを記憶しています。「エロいことを、一生懸命に話しているのがよかったよ」。面接官だった当時の上司は、後になってそんなことを言ってました。

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一方で、新卒の就活のときはAVメーカーやエロ本の出版社を受けませんでした。ソフトオンデマンドの新卒採用も、エントリーだけして、説明会には行っていません。なんとなく、漠然と、エロを仕事にしたら、引き返せないような気がした。「研究テーマが合いません」と言われ履歴書を返されたように、エロの世界に深く入ることで、ほかの色々な世界から拒否されるように思ったんです。

 

ライターの仕事を3年くらい続けたけれど、結局自分と仕事が合わず退職しました。(ライターを辞めたことを考えると、前述の出版社に受かってもあわずに退職していたようにも思います)。退職後、次の会社を探すときも、AVメーカー以外の会社も受かっていました。どっちに行こうか、少し悩みました。やっぱりそのときも、エロの世界にいったら引き返せないように思った。だけど、やっぱり、エロの仕事のほうが、楽しそうだし、わくわくもした。だから業界に入りました。もしかしたら、人から悪く言われるかもしれない、よく思われないかもしれない、でも、それでもいいかなって思いました。

この会社に入った後、仕事の話を業界外の人にすると、よく思われないこともあります。でも、この仕事はそう思う人もいるし、それをわかったうえで働かないといけないかなって思います。

 

 

◆幸せになれない覚悟

動画配信サービス、SHOWROOM社長、前田裕二さんの著書「人生の勝算」に、こんな記載があります。

僕の兄は結婚していて、子供が二人います。兄はしばしば仕事を午前中で終えて、午後の早い時間に家に帰り、子供をお風呂に入れたり、一緒にゲームや公園で遊んだりしています。なぜ兄に言及したかと言うと、前述の「価値観」と言う観点で、兄ほど軸が定まっている人は、他にあまり知らないからです。僕が彼のことを尊敬している理由は、「決めているから」です。他のどんな事柄よりも、家族に時間を使うこと、家族を大事にすることに、「決めている」。(中略)周囲にも、あれだけ幸せそうな人は本当に見たことがない、と言えるくらいに幸せな家庭を築いている兄ですが、それは、「何を大切にするか決めている」と言うことからきているような気がしてならないのです。(中略)人の心は弱く、どれだけ他人が羨むような状況にあったとしても、得てして、隣の芝生が青く見えてしまうものです。結婚して可愛い子供に囲まれていたり、休日にお出かけをしてプライベートライフを充実させていたり、はたまた仕事で大活躍していたり、SNSから幸せそうな知人の近所が日常的に目に入ります。そのときに、自分にとって大切なことを選び、決めていかないと、自分以外の他者の幸せが羨ましくて仕方なくなるかもしれません。選ぶ、という事は同時に、何かを捨てることです。何かを得ようと思ったら、他の何かを犠牲にしないといけない。人生の質を高めるのは選択と集中です。

 

人生の勝算 (NewsPicks Book)

人生の勝算 (NewsPicks Book)

 

 

 自分にとって大切な物を決める。これって自分が満足した生活を送るために大切かなって思うんです。時間は有限で、できることは決まっている。何かを得ようと思ったら何かを犠牲にしないと成り立たない。満ち足りているように見える人をみると羨ましい。だけど、自分にとって1番必要な物をきめて、腹をくくって生きなければいつまでもどっちつかずのままです。

この前、5時に夢中を観ていたら、マツコ・デラックスさんが、自身がここまで有名になった理由を聞かれ、こう話していました

「諦めと覚悟。全部手に入れようなんて思ってないの」

自分の本当にほしいものだけを手に入れるよう努力して、ほかはあきらめる。みんなの言う幸せと遠ざかる覚悟が必要なのかなって聞いていて思いました。この仕事は、人からよく言われないこともたくさんある。だけど、その嫌な経験を覆すぐらい楽しいこと、ワクワクすることがある。万人に好かれないことも、万人に褒められないことも、楽しい代償であるなら、受け入れようかなと今は思う。

 

mochi-mochi.hateblo.jp

 

電話営業・訪問営業している会社はヤバい、と言っているイケダハヤトはヤバイ

ちょっとまえにブロガーのイケダハヤトさんが、電話営業・訪問営業を批判したブログを投稿しました。

www.ikedahayato.com

今の時代、効率よく引き合いを得る方法はいくらでもあるわけです。

電話とか訪問なんてのは、インターネット以前の文化なんですよ。

押し売りしないと売れないとか、その時点でいろいろ終わってますからねぇ。

実際、詐欺的な商品なんじゃないですか?

いいものであれば、無節操な営業なんてする必要ないんで。

 

いいものであれば、無節操な営業なんてする必要ない――商品の品質がよければ売れるという、意見には同意できます。ユーザーに支持される商品は売れる。しかし、多くの商品は、”良い物だからだけ”では売れない。適切な顧客へのアプローチがなければ、手に取ってもらいにくでしょう。

 

◆無作為の電話営業は効率的ではない

たしかに、見込み顧客かどうかを問わず、無作為に電話営業するのは、イケダさんのいうように非効率でしょう。「買うかもしれない顧客」に絞ったほうが良い。オナホールトイザらスに営業しても意味はない、だけど、大人のおもちゃ屋に営業するなら意味はある。だから、イケダさんの紹介していた記事のように、無作為に不動産投資の営業をするのは効率的ではないと思います。しかし、だからといっても、電話・訪問営業すべて意味がないというのは極論です。

 

news.livedoor.com

◆営業は宣伝活動でもある

単純に、具体的にほしい商品が分かっている人に物を売ることだけ考えるなら、ネット通販で十分だと私も思います。しかし、「この商品のここが不満だな」「こんな商品あったらいいな」と漠然と思っている、潜在的な需要のあるユーザーを見つけ、掘り起こすことはできません。言葉にできないニーズのある人に、こちらからアプローチして、商品を知ってもらうという「宣伝活動」も営業はかねているよう思います。

 

◆情報収集も営業の業務

私は、商品を断られたとき、必ず「買わなかった理由」を聞きます。商品や価格、もしくは販売方法、どれに不満があるのかの意見をもらえます。そこの情報は、金銭的な利益にはなりませんが、会社としては大きな利益になる。それをもとに、商品を改良できる。「今月は決算で予算がない」とか「他のメーカーの似た商品を買った」といった顧客側の理由だったとしても競合や顧客の研究になります。その意見をとれないというのは企業にとっての欠損であるように思います。

ネット通販のレビューを見れば使った人の意見は聞けます。しかし、買わなかった理由は分かりません。宣伝方法?値段?商品内容?どれに不満があって買わなかったかは、耳に入りにくい。「オタクの商品ここがよくないので買わなかったですよ」とわざわざメールしてくるほど時間のある顧客はなかなかいないでしょう。しかも、レビューというのは、褒める意見でも、批判的な意見でも、相当強い思い入れがなければ書かない。声にならないけど、ちょっと買うのを躊躇するな、という程度の欠点は会社の目には届きません。

そういえば、私がこの会社に入りたての頃、某競合他社の営業さんが、情報を仕入れられない営業は無力って、言っていました。

 

◆これからは無作為な電話営業にも勝算がある

また、さきほど、イケダさんが紹介したような無作為な営業手法は非効率だと言いましたが、それだって、まったく無駄な仕事ではない。むしろ、これからの時代には勝算があるかもしれない。

 

 イケダさんのような意見を持つビジネスマンが増えれば増えるほど、電話営業・訪問営業を頼りに購買活動をしていた人は取り残される。営業マンがこなくなるんだから。顧客がインターネットで自ら情報を見つけることができないとしたら、非効率だとしても、電話や訪問でのアプローチ手法として有効です。イケハヤさんのように、電話営業オワコンという人が増えれば増えるほど、競合他社は少なくなるので、今、古い手法の営業は生きてくる。パイは少なかったとしても競合がいないので、受注しやすくなります。

mochi-mochi.hateblo.jp

 少ないニーズであっても、確実に需要のある分野です。小さなニーズを見落とさないことがこれからは重要です。

 

◆ゴワゴワする会社であっても、無駄ではない

個人的な意見ですが、記事の中の女性が働いていた会社に不快感は覚えます。

「母子家庭だよね? お母さんが泣くよ? 続ければやりがいも出てくるんじゃないかな。会社を辞めてどうするの?」

「自分でなんとかします。海外でワーキングホリデーに興味があるんです」

「玉田さんみたいな、これといった能力も持っていない人が海外に行っても日本にいるのと変わらないよ」

 

 これが事実なら嫌な会社だなと思う。仕事なんて合う、合わないがあるから、職種が変わるだけで大活躍することはある。能力があるかないかは、数日一緒に仕事した人が分かるわけないよな。私自身、ライター時代は仕事つまらなかったけど、営業になってからは楽しいし、できることも増えている。だから、仕事が合わないなら、すぐ変えたほうが良いというのは同意する。記事の女性が新卒で入った会社を辞めたのは良い判断だと思う。 

 

だからといって、その仕事をしても意味がない、将来性がない、というは違うよな。ひたすら電話をかけて断られ続け、見込みの少ない顧客に営業をして受注とったという経験は、今後、活きてくる可能性もある。なにが役立つかは、予測できない。その仕事をモチベーション高くできる人はやったらいい、それが合わない人は別のところで尽力すればいい。職業に貴賤はないはずだよね。

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幸せだと思われたい欲求

大学の同級生が三度目のアカウント自殺をした。もちろん彼女自身は生きているだろう。今回、死んだのは彼女のインスタグラムのアカウントで、インスタグラムのアカウントが消えるのは初めて、アカウントが消えるのは3回目だ。

am-our.com

一回目の自殺はたしかツィッターで、親に進められるがまま入社した大企業での同期との楽しい日々を綴っていたが、1年経たずで更新は途絶えた。二回目は結婚式までの準備を綴ったブログ。ウェディングドレスを試着する幸せな姿で更新が止まった。そして、今回、今度は、ネイリストになると言い、レッスンの様子を投稿していたが、いつの間にかアカウントはなくなっていた。

本心がどうかは私には分からない。でも、彼女はひたすらキラキラした毎日を更新し続けた。そして、そのキラキラがマンネリ化し、目新しさがなくなるころ、更新は止まる。わたしはそれをみて、「幸せになりたい欲求」じゃなくて、「幸せだと思われたい欲求」みたいだな、と思った。周りから認められたい、幸せだと思われたい欲求。本当に自分が幸せかどうかなんて関係がない。

 

◆強すぎる社会的欲求

 佐藤航陽さんの著書「お金2.0」には、持続的かつ自動的に発展する経済システムは以下の5要素があると書かれています。それは「インセンティブ」「リアルタイム」「不確実性」「ヒエラルキー」「コミュニケーション」。そして、インセンティブ(報酬)は人の欲求に響く報酬でなくてはならない。本の中では、人の欲求に関して、以下のように記載しています。

インセンティブにも、人間の生物的な欲求(衣食住や子孫を残すことへの欲求)や社会的な欲求(金銭欲・承認欲・競争欲)もう満たすものがあり、複数の欲望が混ざっている場合もあります。

現代は生物的な欲望よりも社会的な欲望が目立ってきていて、中でも頭文字を取って3M(儲けたい・モテたい・認められたい)の3つが欲望としては特に強く、これらを満たすようなシステムは急速に発展しやすいのです。

 

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

 

 現代は社会的欲求が人を動かす。だからこそ、人間の社会的欲求を利用したサービスが発展する。他人から認められる欲求、評価される欲求が、今の私たちの行動の根幹にあります。私たちは、強い社会的欲求を持っていること、幸せに思われたい欲求をもっていることを自覚しないといけない。

 

◆よい父という虚像

 たまに会う少し年上の知り合いの男性で、すごく子煩悩で、自分の子供の話ばかりをする男性がいました。それを聞いて「良いパパですね、お子さん幸せですね」とか相槌をうっていたんですが、人づてに、少し前から家庭の事情で、お子さんと離れて暮らしていることを知りました。きっと、わたしには話したくない事情があったんだろうな。そこまで、深い仲ではないし、心配させたくなかったのかもしれない。

だけど、私に話していた「子煩悩な父親像」は虚像だったと思うと寂しくもなった。きっと、その虚像に騙され続けてあげるのがやさしさだと思う。だけど、騙され続けるのは、私が辛かった。大げさだけど、嘘をつかれた気持ちになった。

彼の話す虚像を、私が許容して騙され続けるのがやさしさだとも思います。だけど、私は、なにも知らないふりをしながら「先週の日曜日、天気よかったし、お子さんとどこかいったりしました?」と、聞いてしまう。少し困った顔で、家でゆっくりしていたかな、と、いないはずの子供と過ごした休日を彼は答える。私はそれを見て、いつまで嘘つくんだろうと、思ってしまう。

私はきっと、他人を許容できる範囲が狭い。見栄をはって嘘をついたことが分かったとき、少し裏切られた気持ちになってしまう。容易に分かってしまう嘘なんてつかないで、子供の話なんかしなければいいのに、子どもがかわいいよ、幸せだよ、なんて、深く突っ込まれたら困ることをいわなければいいのに。自分が幸せだなんて見栄はらなければいいのに。

自分が嫌な思いをしたからといって、相手が嫌がることを言っていいわけじゃない。だけど、私は、自分を大人げないなと思いながらも、相手は嫌だろうなと思いながらも、答えにくい質問を知らないふりをしていってしまう。そして、同時に、彼を少し、見下すような軽蔑するような目で見てしまう。「幸せに見られたい欲求」に振り回されているなと。

きっと、「よいパパ」になりたい彼は、今が幸せか分からないから、周りに「今、幸せだよ」と言うことで、自分の決めた道を納得させたいのかもしれない。最初に書いた彼女も、もしかしたら、幸せだと実感できる日々じゃないのかもしれない。自慢する人ほど、今の自分に自信がなかったりするんだよね。いつか、私は寛大な人間になって、そんな人も受け流せるようになりたいな。